5月17日に大阪都構想の是非を巡る住民投票が行われる。 ここ10年の地方分権の流れをみると、ついに行き着くところについたな、という感じがする。 地方分権というと、国から都道府県へ、都道府県から市町村へ、という風に、権限を上から下へ移していくのが基本的な流れだ。その流れからすると、大阪市が持っていた権限を大阪府が吸収するという大阪都構想は、一見すると地方分権に逆行するように見えるかもしれない。しかし、この大阪都構想は、そういう上から下への重力に対する、大きな揺り戻しの動きではないかと思う。 地方分権で空洞化する府県 政令市というのは、実質的に都道府県とほぼ同等の権限を持っており、1つの都道府県の中に2つの県庁が存在しているのに近い。例えば都市計画に限ってみても、政令市の都市行政については都道府県にできる関与は極めて限定的だ。 大阪府の場合、府内に大阪市と堺市という2つの政令市を抱えており、そ