大正時代に活躍した画家・詩人の竹久夢二(1884~1934年)は関東大震災直後に都新聞(東京新聞の前身)に挿絵付きルポ「東京災難画信」を連載した。画家ならではの視点で震災後の混乱を描いた連載は、100年後の現代にも通じる社会課題の問いかけになっている。連載全21回のうち7回分を紹介する。(原文は一部平易化) 昨日まで、新時代の伊達男(だておとこ)が、所謂(いわゆる)文化婦人の左の手を取って、ダンシングホールからカフェーへと、ジャック・ピックルの足取りで歩いていた、所謂大正文化の模範都市と見えた銀座街が、今日は一望数里の焦土と化した。