ニューヨークの観光名所アメリカ自然史博物館の一角に、生物誕生後の35億年の間に起きた5度の大絶滅を紹介する展示物がある。その展示物の銘版には、過去5度の絶滅は、隕石衝突含む地球規模の気候変動によっておきたものと解説され、そしてそれに続いて驚くべき一文が続く。「現在、6度目の大絶滅が進行中であり、今回の原因はひとえに人類が生態系の景観を変えたことにある」と。 約6500万年前の白亜紀末に恐竜ふくむ全生物種の70%が絶滅した大量絶滅にひとしい事態が今まさに起こっている。本書では、『ニューヨーカー』紙記者の著者が世界のいたるところで起こっている生物の大量死の現場に赴き、それぞれの大量死の謎に迫っていく。そして本書読者は、本書を読み進めるうち、今回の大絶滅は私たち人類が知らず知らずのうちにひき起こしていることに徐々に気づかされることになる。 著者の現場への旅は中米パナマ共和国に生息する黄金のカエル