トヨタ自動車の「変革の現場」を追うノンフィクション連載。第38回は改めてドライバー不足問題を考える。自動運転が実現して、完成車が購入者の自宅まで自走できるようになっても、環境負荷やコストの問題で「人が運ぶ」システムが続く。トヨタはどのように対応するのか。 ※ 前回までのあらすじはこちら 物流カイゼンの現場を歩いて、会った人たち全員が深刻に語るのは、いかにドライバーが足りないかである。 完成車を運ぶキャリアカーの運転手、部品を運ぶトラックの運転手が不足していて、ぎりぎりの状態で運送スケジュールを組んでいるという。「ドライバーに辞めますと言われると胃がキリキリ痛む」事態なのである。しかも、ドライバー不足が解決する見通しはまったくない。 大型トラックのドライバー、引っ越しトラックのドライバーは運転をやめるのではなく、宅配便の仕事に移っているのだという。なぜなら宅配便のほうが住んでいる地区で働くこ