「読書の初心者にお勧めの本」を聞かれることがある。 読書の習慣がない小中学生や、あまり本を読んでこなかった人に向けて、どんな本が良いだろうか、という相談だ。 このとき、『はてしない物語』や『ハリーポッター』といった本を勧めてくる人が、かなりの確率でいる。 おそらく、自分が読んで夢中になったからかもしれぬ。あるいは、自分が初めて一冊を読み通した本だったり、時を忘れて物語の喜びに浸った本だからかもしれぬ。 しかし、考えてみてほしい。本を読みなれていない人に、ボリュームのある物語を渡して、読み通せるだろうか? わりと大変なような気がする。読書を日常にしている人は、本に慣れていない人のハードルを過小評価しがちだ。 だからわたしは、さらりと読める短編集や、じわりと刺さる詩集を勧めている。ぜんぶ読みぬく必要がなく、どこから始めてもいいし、途中で投げ出してもいい。本の重みやページをめくる感覚を愉しむのも
![毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/15a0200e4e07fe1cc7d1d823a40a067a2f708e51/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fdain.cocolog-nifty.com%2Fmyblog%2Fimages%2Fsugohon.jpg)