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ブックマーク / salon.mainichi-kotoba.jp (15)

  • 「寒かったです。」の言い切りは公認された?

    「やや稚拙な感じはするが許容範囲」「違和感はない」を合わせ3人に2人が許容している数字となりました。たいへん興味深い結果です。 出題者は「寒かったですね」が最多になると予想していましたが見事に覆されました。伝統的な文法として正しい形のはずの「寒うございました」は5%足らずにとどまりました。 「寒うございました」などの形で思い出されるのは、1964年東京オリンピックのマラソンで銅メダルを取り、68年に自殺した円谷幸吉の遺書です。 父上様 母上様 三日とろろ美味しうございました。 干し柿、もちも美味しうございました。 ……などと続く「美味しう(おいしゅう)ございました」の悲しくも美しいリフレイン。このころは「ございました」が生き生きしていたことがうかがえます。 国語審議会のお墨付きでも「仮面夫婦」 しかし、それから10年もしないころ、朝日新聞記者(当時)の多勝一さんは「日語の作文技術」(1

    「寒かったです。」の言い切りは公認された?
    laislanopira
    laislanopira 2024/03/09
    「ですね」「ですよ」を多用すると、ギズモードみたいに馴れ馴れしさと押しつけがましさがあふれ出して止まらないのでやめたほうがいい
  • 消化管の中は「体内」か「体外」か

    鳥にべられて分布を広げる昆虫。卵が「鳥の体内で移動」とありましたが、学問的に消化管の中は「体外」とされることがあります。生物学の研究に関する原稿で、卵は消化されて鳥の体内に入ってしまうと生き延びられないため、厳密に表記した方が良いのではと提案しました。 同意を得て「鳥に運ばれて移動」と修正しました。 消化管の中は体外であるという捉え方については、「『ちくわの穴』は、『ちくわ』ではない」という説明がイメージしやすいでしょうか。体の外から物が入り、排出される一の管であると考えられるためです。 関連記事:人体は「ちくわ」 消化管の中は体の外(毎日新聞医療プレミア)

    消化管の中は「体内」か「体外」か
  • 「真逆」はなぜ広まったのか(前編)

    「真逆」という言葉は、毎日新聞で確認できる限りでは1998年から見られる歴史の浅い言葉ですが、急速に拡大しました。反発も根強いのですが、なぜこの言葉は昔にはなく、最近広まったのでしょう。前後編で掘り下げて考えます。 9月に出た毎日新聞校閲センター著「校閲記者も迷う日語表現」(毎日新聞出版)は、主にこのサイトの「質問ことば」から厳選して構成されています。今回はその中から「真逆」という語について掘り下げてみます。稿の筆者・岩佐の個人的見解が含まれることをご承知おきください。 定着進むが言い換えを推奨 「真逆=まぎゃく」は2004年の新語・流行語大賞にノミネートされたように歴史の浅い語ですが、一気に広まりました。この「質問ことば」のアンケートでも「使う」が18年に55%、23年に58%と過半数です。「定着した」は18年77%、23年83%と、浸透ぶりが表れています。 23年2月のNHK調査で

  • なぜ「ウサギ年」より「卯年」と書いた方がよいのか

    「ウサギ年」ではなく「卯(う)年」と呼ぶのが適切としたツイートに、国語辞典編者の飯間浩明さんが否定的な反応をしました。至らぬ点を反省しつつ、書き言葉では卯年の方がよいと判断するわけを説明します。 1月4日の毎日新聞校閲センター運営のツイッターで〈2023年は「卯(う)年」。ウサギは卯年に割り当てられた動物ですが、暦としては「ウサギ年」ではなく「卯年」と呼ぶのが適切でしょう〉と記しました。 これに対し、国語辞典編者の飯間浩明さんから以下のツイートがありました。 〈暦としては「ウサギ年」ではなく「卯年」と呼ぶのが適切〉とのことですが、これはやはり報道の内規レベルのものと思います。現に「うさぎ年」でニュースを検索すると普通に出てくるし、会話では「うどし」より「うさぎどし」が伝わりやすい。二者択一という印象を与えるのは好ましくないでしょう。 https://t.co/NIasE6VAoA pic.

    なぜ「ウサギ年」より「卯年」と書いた方がよいのか
  • 「してほしい」だけじゃない 漢字で書けるのに仮名にする言葉

    と注記しています。 すっきり分けにくい場合も 動詞の下に付けて補助的に使えば漢字の意味が意識されないと考えられるわけですが、形だけでわかるとは限りません。 動詞の下に付いていても 「傘を学校に置いて来てしまった」「子供を家に置いて行く」 などは、「来る」「行く」にも意味があって漢字で書いてもよさそうです。 同じ「しれない」でも 「彼ならあんなことも言うかもしれない」 「あんなことを言う彼の気が知れない」 ――と、後者は漢字で書いてもよさそうです。 「意味が薄れた」かどうかは微妙で難しいものがあります。毎日新聞用語集は「言う」「いう」の書き分けをこのように例示しています。 「大家といえば親も同然」という例が挙がっていますが、「といえば」でも 「気にならないと言えばうそになるが……」 のように使う慣用句では、実際には言わないけれど「口に出して言ってしまうと」という感じなので「言」を使ってよさそ

    「してほしい」だけじゃない 漢字で書けるのに仮名にする言葉
    laislanopira
    laislanopira 2022/09/18
    「~で有る」とか「~に成った」「~して仕舞った」などと書くような人物にネット上で出くわしたら、一切関わらないに限る。たいてい奇人や地雷の類
  • グーグルさん、なかなか確認できないんですけど――検索エンジン比較

    「独立」の検索結果に仰天 日が第二次世界大戦で戦った連合国との間で結んだサンフランシスコ講和条約。これが発効した日は日が占領下からの独立を回復した日でもあります。この日付を調べようとして、たまげました。グーグルで「日 独立 いつ」と検索すると、大きな文字でドーンとこの結果が表示されたのです(上の画像)。 これは伝説上の神武天皇の即位とされる日です。「建国記念の日」のもとにもなっています。一瞬「皇国史観」の設定かとも思いましたが、よく見ると小さく「日/設立」とも出てきます。つまりグーグルは「独立」と「設立」「建国」を同義語と認識してこの結果になったのでしょう。 このようにパソコンに画面で一番目立つように“誤答”が表示されるのは困ったものです。“正解”を表示させるためには、検索語の入力にちょっとした手間をかければいいことをご存じでしょうか。それは、“ ”という引用符を検索語につける

    グーグルさん、なかなか確認できないんですけど――検索エンジン比較
  • 「入籍する」→「婚姻届を出す」

    法的に結婚することを「入籍する」と表現されることは多いのですが、入籍とは、既にある戸籍に入ること。現在は結婚すると新しい戸籍が作られるのが基なので「入籍」は誤用になります。そのため新聞では「婚姻届を出す」などと書くのを原則としています。 戦前は、いわゆる家制度で、「は婚姻によって夫の家に入る」と旧民法の条文に書かれていました。例外的な場合を除いて、夫の入っている戸籍にが加わる仕組みで、女性にとって結婚することは「入籍」にほぼ当てはまっていたと言えます。 しかし今は、戸籍法で「婚姻の届け出があったときは、夫婦について新戸籍を編製する」と定めている通り、多くの場合はどちらか一方が相手の戸籍に入る仕組みではありません。 「新しい戸籍に2人で一緒に入る」というイメージで入籍という言葉を使う方もいるかもしれませんが、辞書でも「俗に婚姻の意に用いられるが、正しくは『新たな戸籍を作る』ので『入籍』

    「入籍する」→「婚姻届を出す」
  • ギョーザの漢字は? チコちゃん、それはないよ

    NHK「チコちゃんに叱られる!」でチコちゃんが「ギョーザ」を漢字で書く問題を出しました。豊川悦司さんが書いたのは「飠」に「交」と「子」。これをチコちゃんは不正解としました。それはないよ。チコちゃん、トヨエツにダメ出ししてんじゃねーよ! 「しょくへん」が「飠」ではダメなのか トヨエツこと豊川悦司さんがNHK「チコちゃんに叱られる!」に出た回。チコちゃんが出演者に正解されて「ボーッと生きてんじゃねーよ!」という決めぜりふを言えない悔しさを紛らすために「ギョーザ」を漢字で書く問題を出しました。 豊川さんがボードに書いたのは、おちゃめなことに「飠」の右にギョーザの絵。その下に書かれていたのは「飠」に「交」の「子」でした。 これをチコちゃんは不正解としました。正解は「餃子」で、「しょくへん」の下は「二」みたいな横線でなければいけないということです。 それはないよ。チコちゃん、トヨエツにダメ出ししてん

    ギョーザの漢字は? チコちゃん、それはないよ
  • 「ウラジミール」と「ウラジーミル」 ロシア人名の注意点

    図書館で借りた、19世紀ロシアを代表する文豪の一人、イワン・ツルゲーネフの「はつ恋」。ロシア文学「金の時代」の代表作です。 「はつ恋」(新潮文庫)裏表紙カバー 何気なく目に入った裏表紙の内容紹介には「16歳のウラジミールは……」とあり、チェコ系か何かの人の話だっただろうか、などとぼんやり考えたところで、はっとして中身をめくりました。 「はつ恋」(新潮文庫)文の表記は「ヴラジーミル」。裏表紙と合っていません。出版社のサイトを見てもの紹介文は裏表紙と同じ「ウラジミール」でした。 「ウ」と「ヴ」の違いは日語で表記しがたい音をどう文字にするかの問題で悩ましいところですが、文と裏表紙が合っていないのは気になります。しかしより気になるのが長音記号「ー」の位置です。 英語で綴ればVladimirで、表記に長音の要素があるわけではなく、「ウラジミル」と書かれることもありますが、ロシアではアク

    「ウラジミール」と「ウラジーミル」 ロシア人名の注意点
  • 調べものリンク集

    公式サイトだけではなく、信頼性が高かったり、他のサイトでは得られない情報があったりするサイトも参考として載せています。 作成には相応の注意を払っていますが、リンクやリンク先の内容の正確性については保証できません。利用者ご自身で判断してください。 目が行き届いていない部分もあるかもしれません。リンク切れや、ここにない有用なサイトの情報、その他お気づきの点などありましたら、ツイッター等でお知らせいただけると幸いです。 日々更新し有用な情報を発信しているサイト運営者の方々に感謝いたします。 (2023年1月29日更新)

    調べものリンク集
  • どうやって校閲記者は調べているか

    「著者から後書きに名前を入れていいか聞かれることはありますが、誤植が後で見つかったらと思うと怖いですね」。引用部分を探す苦労、事実確認はどこまでするか…出版の分野で活躍する校正・校閲者の方々に聞きました。... 「これは会社の財産ですね。ぜひ公開してほしい」 「校閲者や司書は泣いて喜ぶと思いますよ」 毎日新聞の校閲センター内で共有しているインターネットサイトのリンク集のことです。私たちの仕事に合わせて作ってきたので一般にどこまで役に立つか分かりませんが、そのような声をいただいたため、どなたでもアクセスできる部分などを公開することにしました。 このリンク集の始まりは2009年ごろ。米国の雇用統計や消費者物価指数など、一から調べると手間がかかる経済関係の情報を早く調べるためでした。そこからスポーツなどデータが豊富に使われる記事などでもリンクがまとまってあれば便利だということで徐々に分野が広がり

    どうやって校閲記者は調べているか
  • 「そもそも」辞書を、言葉をなんだと思っているのか

    安倍晋三首相が4月19日の衆院法務委員会で「そもそも」という言葉を辞書で調べたら「基的に」という意味があると答えたことについて、昨日の閣議では「大辞林」(三省堂、第3版)に「(物事の)どだい」という意味があることを媒介に、「そもそも」=「どだい」=「基的に」という論法をやってのけました。 iOS版「大辞林」より これに倣えば、「そもそも」を辞書で引くと「いったい」ともある、「いったい」を引くと「一つのからだ」という意味もある、従って「そもそも」は「一つのからだ」という意味だ――という詭弁(きべん)が成り立ってしまうではありませんか。辞書を、言葉をなんだと思っているのでしょうね。 ちょっと振り返ってみましょう。 1月26日の衆院予算委員会での首相答弁。 「かつての共謀罪は、いわば、共謀して何人かが集まって合意に至ったらそこで共謀罪になるわけであります。今回のものは、そもそも、犯罪を犯すこ

    「そもそも」辞書を、言葉をなんだと思っているのか
  • まずい?料理の作り方

    春巻きの具材として、鶏もも肉、野菜を8センチ角に切る、というのはさすがに大きすぎます。おそらく8ミリが正解だったのでしょう。最終的には「1センチ」になりました。 頭のなかで作っているところをイメージすることができれば、当に?と思うところです。 どうやったら入る? 「すりこぎに入れる」って……どうやるのでしょう? すりこぎ(擂り粉木、摺り子木)はすり鉢で物をするときに使う棒のこと。入れるならすり鉢のほうですね。 by Jun Ohwada 「……をすりこぎでする」のように「すり鉢」が省略されている言い回しがよくあるせいでうっかりしたのかもしれませんが、これも実物をイメージできれば気づくはず。 豚専用の言葉です 「ラード」は豚の脂のことなので、「和牛のラード」は存在しません。 牛の脂は「ヘット」といいます。日語では「ラード」ほどはなじみがなく、「牛脂」などと呼ぶこともよくあります。 料理

    まずい?料理の作り方
  • 「なぜ新聞は閉じカッコの前に句点を付けないのか。」

    教科書では、カギかっこ(「 」)の中でも文の終わりに当たるところには句点(。)を打っているのに、新聞では閉じかっこの直前に句点を付けていないのはなぜか、というお尋ねをいただいたことがあります。 「小学国語2下」(教育出版)の「ないた赤おに」より このご指摘はその通りで、行政の公用文や教科書などはカギかっこの中でも文の終止に句点を打つのが標準とされています。これは、1946年3月に当時の文部省教科書局調査課国語調査室で作成した「くぎり符号の使ひ方〔句読法〕(案)」という文書にのっとったものです。表題に「(案)」とありますように、この文書は内閣告示のような正式文書になりませんでした。しかし、句読点に関する公式機関の文書がこれ以外にほぼなかったため、「(案)」のままでいろいろな資料に収録されていて、現在もこれに準拠していることが多いのです。 さて、このような文書があるにもかかわらず、新聞が閉じか

    「なぜ新聞は閉じカッコの前に句点を付けないのか。」
  • 「~たり、~たり」を省略しない理由 | 毎日ことば

    省略すると誤解の可能性も それでも最初の「たり」で並列だと分かるのだから、とか、当然・自明のことは省略していくのが言葉の作用の常であり誤解を生むような実害はないのだから、などと思われる方もおられると思います。そこで、次に毎日新聞用語集をごらんください。「誤りやすい表現・慣用語句」の章に「…たり(だり)」の項があります。 「脅したりすかしたり」のように「たり」を重ねるのが基形。「遊んだり学ぶのを手助けする」のように後の「たり」がないと、「遊ぶ」と並立させているのが「学ぶ」か「手助けする」か不明確なので、列挙の場合はできるだけ「たり」を繰り返す 毎日用語集には誤解の可能性があることが明示されています。「遊んだり学んだりするのを手助けする」なのか「遊んだり学ぶのを手助けしたりする」なのかが分からなくなるわけです。こと機能の面からすれば、やはり後ろの「たり」を省略しないほうがよいと言えると思いま

    「~たり、~たり」を省略しない理由 | 毎日ことば
    laislanopira
    laislanopira 2016/01/17
    “曖昧な例示をしたい時には「たり」一つの用法を使えばよいですし、例示を並列するときは、やはり、後ろの「たり」を省略することは避けた方がよいでしょう”
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