近江商人の「三方よし」のひとつに、「世間よし」という考え方がある。社会に対して長期的な展望で貢献する事業となっているか。事業を構想していく上で、常に考えるべき「社会的意義」について考察する。 事業構想の社会的意義 これまで事業構想における「アイデアの発・着・想」から「構想案の構築」まで、連載を続けてきた。前回の「構想案の構築」において基本的なビジネスモデルの設計をおこなうことを記したが、その際に意識すべき重要な観点について、今回は深掘りしてみたい。それは「事業の社会的意義」である。前回お示ししたビジネスモデルハウスの中に、「社会的意義」を記載する欄がある。ビジネスモデルの一部として、社会的意義を想定することに、違和感を覚えられる方もいるかもしれない。今回はその「社会的意義」について考えてみたい。 事業とは、ある目的をもって組織的・継続的にとりくむ仕事をさす言葉である。したがって、事業を構想