2021年3月8日に公開された庵野秀明総監督による『シン・エヴァンゲリオン劇場版』。本作は他に類をみない映画であり、間違いなく歴史に残る大傑作となった。 しかし、すべてを語るにはあまりにも時間も理解も足りない。よってここでは“誰も観たことのない映像”と“フィクションの究極的な脚本”という2点にフォーカスして本作について語ろうと思う。 目次誰も観たことのない、虚構と現実を超えた映像アニメの原点へのリスペクトと特撮へのオマージュ「これまでにないアニメづくり」へ結集された総力フィクションの“究極”を成し遂げた脚本「プロジェクトエヴァ」とは告白である──引き裂かれたあらゆる可能性が1つになった、奇跡のような作品 誰も観たことのない、虚構と現実を超えた映像 本作は2つのアバンタイトル(AVANT1、AVANT2)と、4つの本編パート(便宜上、登場順にA、B、C、Dと呼称)という、合計6つのパートで構
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