1月から新作テレビアニメ「どろろ」が放送中だ。二度目のテレビ化である。人体欠損や流血も多く、表現的に苛烈な中から人間性の本質を浮き彫りにしようと試みる意欲作である。彩度を抑えめの色彩設計でモノトーン描写も多く、回想中心の回は白黒で表現されているなどの配慮に感心した。 テレビアニメ第1作は1969年4月から放送され、白黒制作作品の最後期にあたる。カラーテレビの普及率は1969年が13.9%(白黒は94.7%)、1970年が26.3%となっていて、20%を超えて急速に「2台目買い換え需要」が立ち上がった時期だった。以後は1971年に42.3%、最後の白黒アニメ「珍豪ムチャ兵衛」が放送された1972年には61.1%となり、以後日中帯のカラー化率は100%となる。 映画の世界では1958年の東映動画(現:東映アニメーション)による長編映画は最初からカラーだった。実写映画は60年代末期まで白黒映画が
![【氷川教授の「アニメに歴史あり」】第12回 「どろろ」と白黒アニメの終焉](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/1536d2aab0e5e5961c42243855a9d0397c68d98e/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Feiga.k-img.com%2Fimages%2Fanime%2Fnews%2F107922%2Fphoto%2F09dab592babbb371%2Fcredit.jpg)