金融市場が荒れている。原油価格が急落し、欧州ではギリシャ離脱懸念が再燃。さらにスイス国立銀行が、通貨高を抑制するために対ユーロでの上限を撤廃する判断を下した。リスク回避の動きが強まり世界的に株安が連鎖し、円安の流れも止まった。 こうした「マネー逆流」の主役は、投機的な動きをするヘッジファンドなど巨額な運用資金を抱えるプロの投資家だ。マーケットの変動が大きくなっているということは、先行きを読み違えたプロたちが慌てていることを意味する。 当初のシナリオが崩れ、値動きが予想とは逆になれば保有資産に損失が発生する。損失が拡大しないうちに、または利益が出ているうちに素早く売却に動くというのは、四半期ごとに運用成績を評価される彼らにとって自然な行動といえるだろう。 しかし、為替ディーラーの経験がある経済アナリストの豊島逸夫氏は、「短期マネーが作り出す心電図のような突発的な動きは無視したほうがいい」と個