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ブックマーク / apeman.hatenablog.com (113)

  • 歴史修正主義の手口を理解する手がかり - Apeman’s diary

    歴史修正主義とダイレクトに結びつく話題ではないのですが、「市場ずし」のワサビ問題や志布志市の「うな子」動画をめぐり差別を否認しようとする人々の振る舞いは非常に参考になります。後者の方はわざわざ否認者が自らまとめてくれています。 http://togetter.com/li/1030691 「自動翻訳頼みで研究者に難癖かよw」という嗤われ方もしているようですが、もちろんまとめ主の悪質さもこの問題の質も彼が英語に堪能でないところにあるわけではありません。差別を否認するという結論を維持するために、どれほど「証拠」の集め方やその解釈に歪みが生じるか、というところがポイントなのです。 ちなみに、当ブログが関わった案件で類似のものとしてはこんなのがありました。 http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20080721/p1

    歴史修正主義の手口を理解する手がかり - Apeman’s diary
  • こんなのが幹部に昇進できる組織を信用しろといわれても無理な話 - Apeman’s diary

    JBPress 2015.9.14 「米国が裏で糸を引いていた南京大虐殺という捏造」 内容的にはこれっぽっちも新味のない否定論の断片をアドホックにかき集めただけのクソ駄文ですが、問題はその書き手です。第7師団長を経て最終的に西部方面総監にまでなっています。田母神閣下を筆頭とする歴史修正主義者の(元)自衛隊制服組幹部というのが決して例外的な事例ではなく、自衛隊という組織には昇進レースにおいて歴史修正主義者を排除する意思か能力のいずれか/双方が欠けていることは明白でしょう。日の近現代史に関する歴史修正主義者というのは、必然的にレイシストであり、また wishful thinking を平気でやらかす輩ですが、これらはいずれも軍隊という組織を一層危険な存在にする資質です。 それにしても、このクソ駄文、歴史修正主義的である以前に“金もらって文章書く”資格を疑わせる代物です。 歴史は、虹を見るよう

    こんなのが幹部に昇進できる組織を信用しろといわれても無理な話 - Apeman’s diary
  • 「異例」なのは公になることじゃなくマスメディアが報じること、でしょ - Apeman’s diary

    時事ドットコム 2015/07/30 「昭和天皇「蒋介石支持を」=国連代表権問題、佐藤首相に促す−日米文書で判明」 蒋介石総統率いる中華民国(台湾)政府が国連の代表権を失う直前の1971年6月、佐藤栄作首相が米国のマイヤー駐日大使(共に当時)と会談した際、昭和天皇から「日政府がしっかりと蒋介石を支持する」よう促されたと伝えていたことが分かった。秘密指定解除された米国務省の外交文書で判明した。台湾の国連代表権維持への後押しを伝えたものとみられる。天皇の政治問題への関与発言が公になるのは極めて異例だ。 (後略) 「天皇の政治問題への関与発言が公になるのは極めて異例」って書いてますけど、近現代史研究ではすでに色々指摘されてるでしょ。戦後の言動に関するものに限定しても、当ブログで2回ほど紹介してます。マスメディアがろくすっぽとりあげないから「二度のご聖断神話」がいつまでたっても廃れないんですよ。

    「異例」なのは公になることじゃなくマスメディアが報じること、でしょ - Apeman’s diary
  • 語るに落ちちゃった人 - Apeman’s diary

    先日、「きれいなヘイト」認定されておかんむりだった木村幹・神戸大学教授。 https://twitter.com/dogu_fm/status/603267761322610688 https://twitter.com/kankimura/status/603560832836833280 https://twitter.com/kankimura/status/603563636066361344 「どこがどうヘイトだというのか、具体的に指摘しろ」という要求そのものは至極まっとうではあるものの、その後「全く名字帯刀も許されていない庶民の考える事はわからん」ツイートで馬脚を現しちゃいました。関連ツイートのうち特にひどいのがこれ。 https://twitter.com/kankimura/status/608847621961097217 これ、もし相手が実際に在日コリアンだったり韓国

    語るに落ちちゃった人 - Apeman’s diary
  • エスノセントリズムこじらせすぎ - Apeman’s diary

    ちょっと前の記事ですが、「反日を謳う中国共産党政権が日の天皇に矛先を向けない理由」なんてのを見つけました。 そんな「理由」なんてわざわざ探すよりも「反日」という前提を疑えば済む話でしょ(笑) 「あれだけ反日を謳う中国共産党政権が、絶対に矛先を向けない唯一の存在が、天皇である」なんて大嘘書いているけど、共産党政権は日の「人民」にも矛先を向けてないよね。まあ日政府を批判すれば間接的に有権者を批判したことになるとは言えるけど、例えば「安倍政権を信任した有権者はけしからん」などと共産党政権がコメントした、なんて話は聞いたことがない。政府と市民を区別する、という当たり前の原則を中国共産党は守っていて、日の右派メディアは守ってない、ってこと。

    エスノセントリズムこじらせすぎ - Apeman’s diary
  • やっぱり現れた「勝ち組」 - Apeman’s diary

    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43768 http://www.sankei.com/world/news/150516/wor1505160003-n1.html https://jinf.jp/weekly/archives/15889 https://twitter.com/ikedanob/status/600944284997672960 http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150522/dms1505221140010-n1.htm http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150523/dms1505231530004-n1.htm こうしてみると、いかに彼らが「性奴隷」という単語と「20万」という数字に脊髄反射してきた

    やっぱり現れた「勝ち組」 - Apeman’s diary
  • 人権問題を外交問題としてしか考えられない人々 - Apeman’s diary

    法華狼さんがすでに言及されている件です。 ヴェトナム戦争時の韓国軍「慰安所」についての記事を『週刊文春』に書いた TBS の元ワシントン支局長は取材のきっかけが「ある外交関係者」からの耳打ちであり、「韓国に加害者の側面があることが分かれば、慰安婦問題の突破口になるはずだとの考えに共感」して調査をしたことを認めているとのことです。つまり日軍「慰安婦」被害者のことも韓国軍「慰安婦」被害者のことも第一義的な関心の対象ではなかったわけです。「韓国に加害者の側面があることが分かれば、慰安婦問題の突破口になる」と考えることができるのは、その「慰安婦問題の突破口」を韓国政府のトーンダウンに求めるつもりだからです。韓国政府が被害者の要求を超える強硬な姿勢を示しているというならともかく、実際にはこれは被害者の要求をはねつけることを意味するわけです。ダシにされたヴェトナム人被害者はどう思うでしょうね。

    人権問題を外交問題としてしか考えられない人々 - Apeman’s diary
  • ニッポソの歴史戦もそろそろ終戦 - Apeman’s diary

    http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20150508/1431108978 http://d.hatena.ne.jp/davs/20150509/1431174026 ↑こちらで言及されている問題です。 日政府の「歴史戦」ごっこでマグロウ・ヒル社の歴史教科書にクレームをつけてアメリカ歴史学者19人による抗議声明を引き出したことは記憶に新しいわけですから、日研究者たち(アメリカ人が中心ですが国籍はさまざま)187人が「日歴史家を支持する声明」(強調引用者)を出した意図は誤解の余地なく明らかです。しかしそれをこともあろうに日政府へのエールだと曲解しようとする企てが。事態の深刻さは、極右連中がそんな曲芸に挑んでいるだけでなく、昨夏の朝日バッシングから距離を置いていたメディアの一つである『東洋経済』のオンライン版で、しかも元アジア女性基金関係者(浅野豊美氏)

    ニッポソの歴史戦もそろそろ終戦 - Apeman’s diary
  • 戦争犯罪についての開き直り/シニシズム - Apeman’s diary

    タイトルは、私の「「戦争だからそういうこともある」という論法について」というエントリをとりあげてくださった opemu さんの「「戦争だからしかたない」論について」というエントリへの、はてなブックマークにおける shin-ohara さんおよび SHIKAIKILYOU さんのコメントにインスパイアされた。 こういう報道があって(主催者によるサイトはこちら)、かつて従軍慰安婦問題の責任を追及しようとした女性国際戦犯法廷*1を罵倒していた人びと(ないし彼らに親和的な人びと)がこのニュースにどう反応するのか、非常に興味があったわけである。まあまだ報道から間もないし、肝心の民衆法廷は7月だし、こちらも幅広くサンプル収集したわけではないのでとりあえずの第一印象、にすぎないわけだが、例えばこんな反応だったりするわけである。 83 名前: 日出づる処の名無し Mail: sage 投稿日: 06/06

    戦争犯罪についての開き直り/シニシズム - Apeman’s diary
    lotus3000
    lotus3000 2015/03/06
  • 魂を自ら鎖で繋いだ人間には、鎖で繋がれていない程度のことが「自由」に思えるのだろう - Apeman’s diary

    写真は『日経済新聞』朝刊の連載「熱風の日史」14年4月6日掲載分です。当時の公娼制における「廃業の自由」がいかなるものであったかの一端を示すエピソードです。 さて、「慰安婦」の廃業を「許可制」にすることの意味がわからないような人々は、残念ながら毎日新聞にもいるようです。法華狼さんからご教示いただいた記事より。 毎日新聞 2014年10月11日 東京朝刊 「従軍慰安婦問題:米国内はどう受け止めたか 「吉田証言のウソ」歴史修正主義者が利用 東アジア専門家、ラリー・ニクシュ氏」 インタビュアーは「−−ビルマ(現ミャンマー)の慰安所で、外出の自由や、兵士と結婚した例を記載した米公文書もあります」としてニクシュ氏の見解を質していますが、この「公文書」とはまず間違いなく「日人捕虜尋問報告 第49号」のことでしょう。そしてこの報告書を読んだ人間であれば、そこには「外出の自由」など書かれてはおらず、

  • 永井先生の論文をちゃっかり「お役に立て」ていた読売新聞 - Apeman’s diary

    掲示板で一読者さんから荻上チキ氏のツイートをご教示いただきました。 読売新聞編集局(著)の『徹底検証 朝日「慰安婦」報道」(中公新書ラクレ)は買っただけで未読だったのでさっそく参照してみました。問題の箇所は62ページ以降、「善意の関与」という小見出しがつけられた箇所です。同書はまず「永井教授の論文の要旨は次のような内容だ」として、こちらで明らかにされている永井先生の「返信」から修正分の「【論文の主旨の要約】」をそのままコピーしています。読売新聞編集局による要約ではなく取材に対する著者自身の返信内での要約であることを明記していないのは不誠実ですが、これに続く不誠実さに比べれば序の口。ついで書は【「慰安婦」と強制連行との関連】の(1)、(2)から(1)のみを引用します(数字は原文では丸囲み数字)。 現存する1937年末から1938年初にかけての警察報告をみるかぎり、和歌山での婦女誘拐容疑事件

    永井先生の論文をちゃっかり「お役に立て」ていた読売新聞 - Apeman’s diary
  • 「おんな坂本龍馬と呼んで下さい!」 - Apeman’s diary

    少し前に、グレンデール市まで出かけて二次加害にいそしんできた歴史修正主義者二人が日外国特派員協会で記者会見を行いました。 https://www.youtube.com/watch?v=LfL8f571hCU 二人のうち辻村ともこ狛江市議について掲示板でホドロフスキさんにご教示いただいたところによれば、彼女は「おんな坂龍馬と呼んで下さい」と言っているとのこと。「自分を坂龍馬になぞらえる男」と「自分をジャンヌ・ダルクになぞらえる女」がテッパンで地雷であることはもはや常識でしょうが、「自分を坂龍馬と呼ばせたがる女」という合わせ技まで繰り出すとは、おそるべし……。

    「おんな坂本龍馬と呼んで下さい!」 - Apeman’s diary
    lotus3000
    lotus3000 2014/09/28
    物語と一体化したいという願望こそが歴史修正主義の本質なのかもしれない。
  • 「慰安婦」問題否認論者に欠けているのは「自由意志」についての常識的な洞察 - Apeman’s diary

    今年の5月、「NEWSポストセブン」の「慰安婦」問題否認論記事について私は次のようにコメントしました。 おそらくこれを書いたライター、および何の疑問も持たずにこれを掲載した編集者、何の疑問ももたずに読んだ読者たちは、人身売買の被害者を買春することにたいして何の後ろめたさも持たないのでしょう。「人身売買? 売ったやつが悪いんだろ。えっ? お前も買ったじゃないかって? いや、オレはただフーゾクを“活用”しに来たらたまたまそういう女にあたっただけだって」といった具合に。だからこそ、国家が人身売買システムを「制度化」して公式に利用することのグロテスクさに気づかないわけです。 こういう具合に、歴史修正主義の背後にある発想を推理するエントリを書く度に、ご丁寧にもそれを裏付けてくれるネット右翼が現れるのが恒例のパターンになっていることは、当ブログの常連の読者の方ならよくご存知のことと思います。いまコメン

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  • 3分でわかるガメ・オベールQ&A - Apeman’s diary

    Q1. なんかリベラルっぽいこと言ってるみたいですが? A1. 千鳥ケ淵戦没者墓苑を「公団住宅みたい」と誹謗する一方、靖国神社についてはA級戦犯合祀のことなど完全にスルーして擁護してましたけどね。こんな連合国民って、見たことないんですけどw Q2. 嘘つきなんですか? A2. はい、その通りです。 ・ガメ:「バターン死の行進の最中に、米兵にゴボウをわせて死刑になった日兵の裁判記録を読んだ」と主張。 ・わたし:そんな事例があったとはにわかには信じがたい。どの裁判の記録なのか? と質問。 ・ガメ:米軍が行った裁判の記録のはずなのに、なぜか日人が1970年代に書いたの「末尾参考図書」にある、と主張。 ・結果:当該文献はバターン死の行進に関わる事例などとりあげておらず、さらにはそもそも「末尾参考図書」一覧など付されていない。 Q3. 勘違いじゃないんですか? A3. 当初はその「日兵」に

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  • 「朝日の誤報」は右派が20年かけてつくりあげた作品 - Apeman’s diary

    当ブログでは朝日の「検証」記事以前から指摘していたことですが、「吉田清治」という人物のニュースバリューは92年頃を境に急激に低下しています。右派メディアは朝日の「吉田証言」報道がまるでメディア史特筆すべき誤報であるかのように言い立てているわけですが、誤報としての悪質さおよびその(負の)影響の度合いを近代マスコミの誤報史に照らしてきちんと検討している例はただの一つも見あたりません。クマラスワミ報告書に載ったじゃないか、って? それ、同じくクマラスワミ氏がとりあげている秦郁彦先生に失礼じゃありませんか? 「吉田証言報道」は、一点突破全面展開を狙う右派論壇と右派政治家が過去二〇年間「重大問題だ! これこそが核心だ!」と言い続けてきたことによってのみ重大な誤報になったのです。

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  • 右派は恨む相手を間違えている - Apeman’s diary

    「日は慰安婦問題で世界から誤解されている」「誤解されたのは吉田清治/朝日新聞/韓国ロビーのせいだ」という右派の認識そのものが「誤解」であることはいまさらいうまでもありませんが、ひとまず「誤解されている」という仮定を受け容れてみることにしましょう。では、一体誰が悪いのか? そもそもこの問題で日政府が主導権を握れなくなったのは、「民間業者が連れて歩いていた」などという稚拙な嘘をついたからです。こんな大嘘をついた政府の言うことがそうそう簡単に信用してもらえるわけがありません。さらに、「慰安婦」問題が注目を浴びた1990年頃であれば、自民党にも元軍人、元内務官僚の政治家が少なからずいたわけです。主計将校として「慰安所」設置に尽力した大勲位を筆頭に、です。彼らが率直に事実を話していれば、日政府のペースで「慰安所」制度についての認識が形成される可能性はあったのに、彼らは沈黙を守っていました。 そ

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  • 「歴史戦」は続くよどこまでも - Apeman’s diary

    産経新聞の連載「歴史戦」ですが、4月に始まって8月の終わりからは第6部に(9月3日に完)。いやほんと、否定論産業はウハウハですな。歴史「戦」、情報「戦」などと打ち上げれば「嘘も武器のうち」ということになるのでしょう。07年の米下院決議を後押しした "THE FACTS" 広告の自爆にはまったく触れず、逆に「日側の反対の意思表明が弱かったこと」が要因の一つだ、などとほざいています(9月2日)。 それでも、朝日新聞の「検証」記事掲載がアメリカの世論になんの影響も及ぼしていないことは認めざるを得ないようです。 ■朝日の訂正無視 慰安婦問題は地方にとどまらない。首都ワシントンでも8月中旬、大手研究機関で日韓の歴史問題を論じるシンポジウムが相次いで開かれた。 慰安婦問題をめぐり、朝日新聞が朝鮮半島での「強制連行」の報道を撤回してから2週間が過ぎた8月19日、「ヘリテージ財団」が開いた「歴史が北東ア

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  • 「誰も教えてくれなかった」からといってデタラメを喋る権利が発生するわけではない - Apeman’s diary

    ホドロフスキさんからの情報提供によるエントリです。 TBSラジオ「荒川強啓デイ・キャッチ!」の6月11日放送分「ニュースランキング」にコメンテーターとして登場した古市“誰も戦争を教えてくれなかった”憲寿。ランキングの3位、「中国。従軍慰安婦に関する資料を「記憶遺産」に申請」について次のようにコメント(書き起こしは私)。 (……)一方で中国もやっぱり、この〜国内を統合するために、うまく歴史を使おうとしてると思うんですね。それこそ南京事件、南京大虐殺に関しても、30万ということは昔は言っていなかった。途中から言いはじめたりしている。(……) これだけで「ああ、情報源はネットだけなんだな」と見当がつきます。奇しくも(ウィキペディアの記述を信じるなら)古市氏が生まれた1985年は南京大屠殺遇難同胞紀念館が開館した年です。「十年一昔」と言いますが約30年前からの主張を「昔は言っていなかった」と評する

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  • 河野談話の作成過程を検証するんじゃなかったの? - Apeman’s diary

    河野談話を撤回できない腹いせに、その「作成過程」にケチをつけようというプロジェクトの報告書が先週末に出たわけですが、タイトルが「慰安婦問題を巡る日韓間のやりとりの経緯〜河野談話作成からアジア女性基金まで〜」となっております。あれあれ? アジア女性基金? 河野談話の作成過程と関係ないじゃん。しかもこれ、アジア女性基金の事業の評価に関わるようなことまで、一方的に日政府(と基金)の視点から記述してある。「問題が解決しなかったのは韓国の支援団体のせい」というメッセージを国内向けに伝えるという狙いであることは明白です。 また報告書タイトルの「日韓間のやりとりの経緯」も「慰安婦」問題をひたすら日韓間の問題として矮小化してきた日政府の(そして日の右派の)パースペクティヴを忠実になぞっているわけですが、その結果として、河野談話の作成過程で日政府がサボったこと――代表的なのが、フィリピンやインドネシ

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  • 大江志乃夫、『日本の参謀本部』、中公新書 - Apeman’s diary

    このは昨年買って読みはじめたところで、電車のなかに置き忘れてなくしてしまった…という経緯があり、なにしろ700番台の新書なのでなかなか店頭で見つけられず、普段の習慣に反して通販で買ってようやく読み終えた。 いまさら紹介するまでもない名著なので、ここでは先日このエントリのコメント欄で議論になった問題、すなわち“日軍が日露戦争、第一次世界大戦の戦訓をきちんと学べなかったのはなぜか?”という問題に関わる点と、その他印象に残った点についてつまみい的に。 1909年に日陸軍が歩兵操典を改訂し、銃剣突撃の重要性が強調されたことに関して、戸部良一は「日軍が白兵戦で優位に立ったため、その長所を強調した」という解釈を俗説として斥け、火力の面で決してロシア軍にひけはとっていなかったこと、むしろ白兵戦で苦戦したのだと指摘している。大江志乃夫もまた、日露戦争時の日軍は「編成、装備、戦法がロシア軍にまさ

    大江志乃夫、『日本の参謀本部』、中公新書 - Apeman’s diary