【ニューデリー時事】チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世(76)は24日、声明を出し、数百年の歴史を持つダライ・ラマの輪廻(りんね)転生制度について、「私が90歳ごろになった時に制度を存続させるかを決定する」と明言した。この発言は、当面はチベット亡命政府の現体制を維持する意欲を示した上で、自分が死去した後の後継者選びに介入しようとする中国をけん制し、主導権を握る強い意志を表明したものとみられる。 チベット仏教の伝統ではダライ・ラマ14世が死去した場合、亡命政府は生まれ変わりの15世を探す必要がある。しかし、チベット支配を固めたい中国はこれに対抗し、自ら認定した親中派のパンチェン・ラマ11世を通じ、独自に15世を選ぶと予想されている。 【関連記事】 【特集】「内燃化」する?中国の民主化運動 ウイグル騒乱が暴いた「民族政策」の大矛盾 〔写真特集〕チベット問題 チベット族僧侶が