新語や流行語を観察していると、「○○族」という表現によく出会います。古いところでは戦後まもなく登場した「斜陽族」や「太陽族」など(意味は後述)。比較的新しいところでは「夜カジ族」(夜に家事をする人)とか、「席朝族」(出社して会社の席で朝食を食べる人)とか、「一駅族」(通勤の際に健康のため1駅分歩く人)といった言葉が登場しています。 しかしながら近年では、この表現を使ったメジャーな流行語が登場していません。「太陽族」「暴走族」などに匹敵する存在感を持つ言葉が登場していないのです。そこで今回は「○○族」の変遷をたどりながら、このような表現が衰退した理由や、その背景にある社会変化について分析しようと思います。 斜陽族の40年代、太陽族の50年代 では最初に「○○族」の歴史を概観しましょう。「家族」「一族」「民族」などの基本語や「郵政族」などの政治用語などは除外して考えます。 まず1940年代には