「一体改革後」にらみ 政府が2040年度の社会保障給付費推計を公表したのは高齢者数のピークを迎える中で現役世代が急減する時期に備えた新たな社会保障改革の議論の材料にするためだと説明する。ただ、40年度には税負担は今より33兆円も増えるとの見通しも示しており、消費税率10%の先に向けた議論の布石とする狙いが透けて見える。【阿部亮介、大久保渉】 突貫工事--今回の推計公表について厚生労働省の担当者は、こう表現した。公表のきっかけは3月29日の諮問会議での民間議員の発言だ。現役人口が急速に減る一方で高齢者数がピークを迎える40年ごろに向けて、「議論の素材となる社会保障に関する将来推計を早急に示してほしい」と注文が付いた。