前回は、「製品(の在庫)をどこに置くか」という話題をかいた。今回は、「原料や部品の在庫はどこに置くべきか」という話を書く。 あれっ? タイトルと話の中身が違うじゃないか--そう思われた方もあるかもしれない。『生産形態』ってのは、すなわち受注生産か見込生産か、という分類だろ? だが、これでいいのである。生産形態とは、「在庫を何の形で、どこに用意しておくのか」という問題に対する対処方法の種別に、一対一で対応しているからだ。 議論に入る前にまず、理解しておいてほしいことがある。生産システムとは「需要情報というインプットを、製品というモノ(あるいは製品に実現された付加価値)に変換してアウトプットする仕組み」を指す、という基本概念である。工場設計論とは、すなわち生産システムの設計論に他ならない。 その上で、「見込生産」からおさらいをしておこう。見込生産とは何か。それは、製品需要を“見込んで”生産する