【特集・中国の経済安全保障(第4回)】 1978年から中国は改革・開放の道を歩み始めて、2000年代に入り、経済の高成長を成し遂げ、世界経済を牽引する役割を果たしてきた。しかし習近平政権期の中国は、民主主義国家からみれば国際社会にとってのトラブルメーカーになっているようだ。そうした習政権の行動の根源を理解するには、毛沢東時代に遡る必要がある。 改革・開放から毛沢東時代への逆戻りの始まり 1970年、毛沢東は北京訪問のエドガー・スノーに、「わたしは天(神様)を無視し、法も無視する」と冗談っぽく言ったことがある。1966~76年文化大革命を引き起こして知識人を迫害し、数十万人が犠牲になったといわれている。当時、知識人の迫害に直接加担したのは、「紅衛兵」と呼ばれる中学生や高校生たちだった。 翻って習政権の1期目と2期目の執行部(党中央政治局常務委員の7名)を見れば、全員が紅衛兵世代であり、多くが
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