釣り場に急ぐ釣り師といますのは、「釣れなかったらどうしよう!」などと考えるのは皆無で御座いまして、大概は都合よく良いほうにしか考えず、釣り場に急ぐので御座います。 急ぐ折に車など渋滞に巻き込まれますと、心穏やかとは参りませんで、他人様の都合でこちらの都合が邪魔立てされる理不尽さに、修行半ばの釣り師は、小さくは小市民に似合いの怒りを、大きくはほのかな殺意を覚えるので御座います。 急ぎの事など有りまして車を走らせておりますと、これはいけません前が詰まっております。何事かと眺めますと立て札を持った若い衆が車をしきりに誘導しております。 新手のチンドン屋かと思ってよく見ますと、これが新規の大型釣具店が開店しまして駐車場案内の青年でした。気のいい青年らしく満車に成った駐車場から他の駐車場を案内しておりますが、一々丁重に受け答えするのでやたら手間を喰っております。 親切なのは良いのだが、要領の悪いとは
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