取材ノート ベテランジャーナリストによるエッセー、日本記者クラブ主催の取材団報告などを掲載しています。 中国広州市の駐在記者時代、地元の政治協商会議(政協)に「明星(スター)委員」と呼ばれる人がいた。韓志鵬さんという人だ。 人口の急増に道路や公共交通機関などのインフラ整備が追いつかず、不便な暮らしを送る地域の苦しみを代弁していた。「満足な学校や病院もない。公衆便所は全くない」。市政府の幹部らに切々と訴えて対応を迫っていた。 タクシー運賃引き上げの認可を巡り、説明や手続きが不十分だと当局を追及したこともあった。生活苦や物価高にあえぐ市民にとって、まさしくスターだった。 政協は人民代表大会(人代)と並ぶ民意を集約するための機関で、ともに全国、省、市単位の組織がある。韓さんは華僑向けの経済紙編集者を本業としつつ、広州市の委員を務めていた。 2012年初め、取材を申し込むと「いいですよ。そちらに行
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