【注目の人 直撃インタビュー】 仁坂吉伸氏(和歌山県知事) 国内で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されたのは、今年1月15日。それから約1カ月後に、和歌山県で病院クラスターが起きた。県は国の方針とは異なる独自の策を次々と打つ。短期間でウイルスを封じ込めたことから、米紙ワシントン・ポストに「和歌山モデル」と称えられた。日本列島に“第2波”が押し寄せる中、和歌山の経験から学ぶことはたくさんある。知事にじっくり話を聞いた。 ◇ ◇ ◇ ――クルーズ船のコロナ感染で騒いでいた頃の2月中旬、済生会有田病院で国内初の院内感染が発生しました。当時、国内の累計感染者は2ケタ程度。未知のウイルスにどう対応したのですか。 新型コロナウイルスは強毒のSARSやMERSと弱毒のインフルエンザの中間くらいで、よくうつるし、死にも至る。「嫌な病気だね」と話していたのですが、そしたら、和歌山で出てしまった。中