ユーモラスな先頭形状から“ムーミン”の愛称で親しまれてきた国内最古の電気機関車「EF55」についてJR東日本は「さよなら運転」終了後、鉄道博物館(さいたま市)に永久保存する方針を決めた。 EF55は1936年に欧米の流線型車両をモデルに3両が製造され、45年前までに2両が廃車となった。唯一残った車両は、太平洋戦争の戦禍をくぐりぬけた平和のシンボルとして高崎車両センターで、こまめに点検補修され、イベント用に使われてきた。 運転席の真上には米軍機の機銃掃射を受けた弾痕が連続して残っており、補修作業に当たってきた旧国鉄マンは「傷跡には命がけで列車を走らせた機関士の魂が宿っている。戦火を生き抜いたこの車両こそ鉄道文化遺産として後世に伝えていかなければならない」と感慨深げに話す。 旧国鉄は78年に準鉄道記念物に指定している。JR東日本は当面、同車両センターで、保管する。 「さよなら運転」は1