楽天モバイルの元社員が前職のソフトバンクから機密情報を不正に持ち出したとして、2021年1月12日に不正競争防止法違反(営業秘密領得)容疑で警視庁に逮捕された事件。ソフトバンクは5月6日、楽天モバイルと元社員に対し「約1000億円の損害賠償請求権」を主張する訴訟を東京地裁に起こした。まだ係争中で先行きは不透明だが、1000億円の根拠がようやく分かったので紹介したい。 「血のにじむような努力で蓄積した情報」 訴状によると、被告の楽天モバイル元社員は、2004年7月にソフトバンクBB(現ソフトバンク)入社。技術系の正社員として基地局の設計・運営業務などに携わり、2016年からはビー・ビー・バックボーンにも兼務出向し、ネットワークエンジニアとして通信ネットワークの構築に関わる企画業務などに従事していた。楽天モバイルからソフトバンクより高い給与条件を提示され、2019年12月31日付でソフトバンク