彼女もなんとなく雰囲気でわかっていたと思う。そろそろ彼女のご両親に挨拶に行こうかって考えてること。あとは俺から言うか、彼女から言うかの問題だけだった。 その日もそんなことを考えながらハンドルを握っていた。逆光に目を眇めつつもうすぐ海だね、なんて声をかける。こっちを見ていた彼女は、急に何かを思い出したように足元の紙袋を手にとる。 「そうそう!いっつも運転するときまぶしそうにしてるから……今日はプレゼント買ってきたんだよ!」 「へぇ?なに……」 言いかけた瞬間、カーブの向こうからトラックが突っ込んでくる。どうにか避けようとハンドルを切った俺の眼前にガードレールが現れ、そして車ごとつきやぶっていた。 気づくと、遠くにサイレンの音が聞こえていた。頭がひどく痛む。いや俺のことより彼女だ!ナビシートのほうに頭を向けると首筋に激痛が走ったが、俺の視界に映る彼女の姿はそれ以上に衝撃的だった。 彼女の腹部を