横井英樹は、大正2年愛知県で生まれました。横井は太平洋戦争後、進駐軍に取り入り、ガチャマン景気に沸く繊維業や土地の値上がりで財産を築きました。彼が、全国的に有名になったのは、昭和28年のあの事件が発端でしょう。 最近閉店セールで話題となった東急日本橋店の前身は、江戸時代から続く日本橋の老舗百貨店の白木屋(飲み屋ではありませんよ。)です。 この年、名門白木屋の株が、蝶ネクタイ、白面の無名青年実業家・横井英樹氏に買い占められ、経営権を奪われそうになったのです。 会社側と横井英樹側は、過半数の株をめぐって熾烈な攻防戦を繰りひろげます。しかし、横井側もあと一歩及びません。高利で金を借りている横井は、土地を売却、次第に追い詰められていきます。 起死回生を狙い、横井は東急グループの総帥五島慶太の住む 上野毛に毎日通いつめ、散歩のお供をさせてもらいます。 努力と誠意が通じ、横井の持ち株は、全て五島に買い