理学が何であるかは誰もが知っていますが、「物理学者は何をしている人々なのか?」という問いに答えるのは簡単ではありません。まず思い付く答えは、「自然界のありとあらゆる姿を研究する人」ということかもしれません。確かにこの答えは正しいのですが、物理学の真髄を伝えてはおらず、物理学がいかに発展するかを理解できないという点で意味のないものです。物理学の発展は、「光」の概念がどう変わってきたかを例にして説明することができます。 昔の科学実験によって光は波であることが明らかになり、それが電磁波という考え方につながりました。しかしその後、光はある条件下では粒子のように振る舞うことが発見され、この粒子は「光子」と名付けられました。「波」と「粒子」という正反対の性質は量子論の枠組みの中で見事に統一されましたが、2つの概念は現代物理学においてもいまだに広く用いられ続けています。 それは、なぜでしょうか? 波と粒