記憶力や判断力が低下する認知症の診断はどのようにおこなわれるのか。群馬大学大学院保健学研究科教授の山口晴保医師に聞いた。 * * * 認知症かどうかを診断し、認知症だとわかれば、その原因が何かを見つける。それが鑑別診断です。 認知症のような病状でも、実際にはうつ病や総合失調症などの精神疾患だったり、甲状腺機能低下症や糖尿病といった病気によって認知機能が悪くなっていたりする場合もあります。「良くなる病気」かどうかを見分けることが、まず大切です。 認知機能を測るには、MMSE(ミニメンタルステート検査)や長谷川式といった簡易知能検査が有効です。テストの結果で、認知症の進行状況を概ね予測できます。必要があればMRI(磁気共鳴断層撮影)やSPECT(脳の血流の状況を詳しく調べる検査)などの検査を実施し、診断を確定させます。 しかし、認知症を数多く診ている医師なら、問診でおおよその診断