ホンダは、6月の株主総会をもって伊東孝紳氏が社長の座を降りることを発表した。今回の交代劇は筆者にして見れば、いささか唐突とも思えた。理由はいくつかある。 1つは年齢。伊東氏は、現在61歳。ホンダのこれまでの歴代社長の引き際を眺めていると、恐らく63歳くらいまでの後2年は続投すると思っていた。年齢的な要素では早すぎる。 2点目は現在、仕掛かりの事項が多い点。自ら打ち立ててきた全世界での販売台数600万台という大きな目標、F1復帰、ホンダジェットのビジネス開始、燃料電池自動車の発売など、2015年度はこれら様々に手掛けてきたことを刈り取る年だったからだ。おおいに実績を挙げてからの勇退かと見ていた。 3点目は、後任の選定の問題。ホンダの現役やOB関係者との間では、「次期社長候補の顔がはっきりと見えない」といったところがこれまでは共通した話題だった。新社長には八郷隆弘氏が就任するわけだが、これまで
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