日本とは異なり、欧米の書籍市場は横ばいか微増で堅調に推移している。 いったい何が日本とは違うのか? 日本ではいつまで経っても動画と読書、ウェブやデジタルと紙の本を「対立」するものと位置付ける見方に留まっているが、欧米ではむしろ本の購買へつなげる手段として動画、ウェブサイト、デジタルツール活用に本気で取り組む流れが加速している。出版社のデータカンパニー化、「デジタルを使って紙を売る」施策が進んでいるのである。 ここでは超大手出版社Big5――Penguin Random House(PRH)、HarperCollins(ハーパーコリンズ)、Simon & Schuster(S&S)、アシェット Book Group(アシェット)、Macmillan Publishers(マクミラン)がマーケティングファネルのフェーズ(認知から関心、検討、購入、継続・拡散まで)ごとにどんな施策を行っているのか