危機管理総合研究所の小川和久氏が、日本のセキュリティーについての講演を行った。システムや法律はあっても、実際の危機に対応できない「仏作って魂入れず」の状態だと警鐘を鳴らしている。(テクニカルライター・三上洋) 北朝鮮ミサイル誤探知と有事法制 セキュリティー対策大手のマカフィーが最新のセキュリティー情報などを紹介するイベント「マカフィー・セキュリティ・サミット」をこのほど東京都内で開催した。このイベントで、危機管理総合研究所所長で軍事アナリストとしてもおなじみの小川和久氏が基調講演を行った。講演のタイトルは「企業の存亡を左右する情報セキュリティ」で企業向けではあるが、内容は日本の防衛とセキュリティー全体を考え直すものだ。 まず小川氏は、4月に起きた北朝鮮ミサイル発射と誤探知(誤報)について取り上げた。誤探知が伝言ゲームのように伝わってしまったが、これについて「有事法制はあるが、実際に機能する