【ロンドン=林路郎】英国際戦略研究所(IISS)は7日、世界171か国・地域の軍事力を分析した「ミリタリー・バランス2012年版」を公表。 中国の台頭や米国の将来的役割への疑問、北朝鮮への不安などから、アジア地域で、各国が互いの戦略を理解しないまま軍拡競争を起こしていると警告した。 中国については、過去10年で軍事費が2・5倍に達し、経済成長のペースを上回ったと指摘。ステルス性の高い次世代戦闘機J20や、整備が進む初の空母「ワリャーグ」に注目が集まるものの、真の懸念材料は衛星破壊兵器や巡航ミサイル、サイバー攻撃能力などとした。 また、「2050年までに米国の対等なライバルになるという中国の目標は達成可能だ」と分析した。