アメリカでトランプ支持者たちが、連邦議会に乱入し、大統領選の投票結果を認定する議会の手続きが一時停止する、という前代未聞の事件が起きた。選挙結果に抗議する集会で支持者を煽る演説を行ったトランプ氏への批判が高まっている。 トランプ・マジックが解けた? 再開された議会では、議長を務めたペンス副大統領、ミット・ロムニー上院議員ら共和党陣営からも暴力への批判や選挙結果の正当性を認める発言が出た。トランプ政権の元高官からも批判が発せられ、現政権からも辞任の動きが出ている。 死者まで出る衝撃的な出来事で、これまでのトランプマジックが解け、目が覚めた人も少なくないだろう。まっとうな共和党員は距離を置き、トランプ氏の政治的影響力にも変化が出てくるのではないか。 カルト性を高める熱烈支持者 その一方で、残った支持者はますます「カルト性」を強めていくのではないかと心配だ。 トランプ氏とその熱烈支持者は、分断を
「この野郎、なめた記事書きやがって。お前ちょっと家まで来いや!」 「来なかったらお前、若いもんに迎えに行かすぞ!」 【写真】記者を地下室に招き「小倉とも子が犯人」と主張する“誹謗中傷男” 「こっちはお前の住所も調べてるんだぞ」 電話越しに話す男性は、私に向かっていきなり声を荒げ始めた。8月下旬のある昼下がりのことだ。 相手は、昨年9月に山梨県で行方不明になった当時小学1年の小倉美咲さん(8)の母親=千葉県成田市=、とも子さん(37)をSNSで誹謗中傷し続けた野上幸雄(69)。今月15日までに、名誉毀損の疑いで千葉県警成田署に逮捕された。 野上は、「怨霊の憑依」と呼ばれるブログを管理し、事件発生直後から毎日、とも子さんへの憶測や偏見を生み出す書き込みを続けていた。 ブログの管理人名は野上ではなく、「和田隆二」。肩書きは「霊媒師」。 タイトルには《小倉とも子が犯人と疑われる条件》《辻褄が合わな
渡部建さんの不倫問題 渡部建さんの不倫問題が「文春砲」の標的になってから,もう1週間が過ぎました。世間は相変わらずこの話題で持ちきりです。 不倫相手が複数であったこと,その性行為が眉をひそめるようなものであったことなどが微に入り細に入り報じられ続けています。それらの行為がこれまでの渡部さんのイメージとはかけ離れたものであったことや,妻もまた有名人であったことなど,大騒ぎとなる要素がたくさんあるのでしょう。 そしてここ数日,何人もの人がメディアで渡部さんの行動を指して「セックス依存症」だと論評しています。 セックス依存症なのか ジャーナリストの木村太郎さんは,ワイドショーのなかで「この人を知らないし,芸能界もよく知らないけど,伝えられていることを聞くと,この人病気じゃないかなと思う」「セックス依存症,セックス・アディクション・シンドローム,それあると思います」などと述べています。同様に,タレ
不安対策には失敗した政府の対策 新型コロナウィルス(COVID-19)は世界的に流行し、世界保健機関(WHO)も危険性評価で世界全体を最高の「非常に高い」に引き上げた。「パンデミック(世界的流行)」についてはまだ否定しているようだが、WHOのこれまでの見通しの甘さから、実際にはパンデミックに陥っていると見なしている人が多いだろう。 このウィルスは弱毒性であり、高齢者や気管支喘息など基礎疾患を持つ人は別として、若年・壮年の健康な人はさほど心配しなくてもいいという説が支配的だった。しかしここにきて、連日にわたる全国各地における患者の発生や死亡例、若年者の重症例の報告など、楽観論を覆す事象が報道されるようになってきた。 なにより、わたしたちの日常生活を脅かす支障や脅威が、目に見える形でわかるようになってきた。マスク不足に時差通勤・テレワークの推奨、飲み会からスポーツやコンサート、卒業・入学式など
俗っぽくて、ゲスな番組『サンジャポ』 のっけからこう書いたのは、悪口や非難のつもりではない。むしろ逆だ。そのことは最後までお読みいただければおそらくおわかりいただけると思う。 TBSが日曜日の午前中に放送している『サンデージャポン』。 ”サンジャポ”の愛称で親しまれているトークバラティー番組である。 司会は爆笑問題の二人が務め、笑いや俗っぽい好奇心で様々な話題について切り込んでいく。芸能ネタもあればニュースネタもあって、ゲストとして脚線美や巨乳の女性タレントもスタジオに集め、時折、カメラがその脚線や胸元を舐めるように撮影するなど、「ゲスい」ところ満載の番組である。 だが、この番組には古くからテレビ人が持ってきた「ゲリラ的で型破りなところ」があって侮れない。 かつて日本テレビ系列で平日深夜に放送されていた『11PM』(イレブン・ピーエム)。硬派もエロもごっちゃまぜという、1965年から199
東京都足立区の病院で、手術直後の女性患者の胸をなめたなどとして、準強制わいせつに問われた乳腺外科医(43)に対し、東京地裁(大川隆男裁判長、内山裕史裁判官、上田佳子裁判官)は20日、「事件があったとするには、合理的疑いを差し挟む余地がある」として無罪とする判決を言い渡した。 被害証言は術後せん妄の幻覚体験の可能性 判決は、被害を訴えるA子さんの証言には迫真性があり、一貫しているとする一方で、母親の証言、他の医師や看護師の証言などを細かく検証。検察側は、病院関係者は口裏合わせをしていて信用できないと主張していたが、裁判所は「大筋において信用できる」と退けた。 そのうえで、乳房手術は術後せん妄の危険因子であり、手術に使われた麻酔薬や術後の痛みがせん妄の原因になる可能性がある、とする専門医の証言を検討。A子さんにはこの麻酔薬が通常より多く投与される一方、鎮痛剤の投与は少なく、術後に疼痛を訴えてい
2016年に医師が手術直後の女性患者の胸をなめたなどとして準強制わいせつの罪で逮捕・起訴された事件は、今月8日に検察側論告と弁護側の最終弁論が行われ、結審した。検察側は「極めて悪質」「被害者の処罰感情は厳しく、社会的影響も大きい」などとして懲役3年を求刑。弁護側は、女性の訴えは麻酔の影響による「せん妄」がもたらした「性的幻覚」などと主張して無罪を主張した。 女性がLINEで被害を訴える 事件の経緯は次の通りだ。 同年5月10日、東京都足立区内の病院で、右胸の腫瘍を切除する手術を受けた30代女性患者のA子さんが、病室に戻った後、主治医の乳腺外科医からわいせつな行為を受けた、と知人にLINEで連絡。その知人が警察に通報した。地元警察署の警察官が病院に駆けつけ、女性の左胸から微物を採取するなど、刑事事件としての捜査を始めた。 14回もの期日間整理手続で争点整理 同年8月25日、警視庁は女性の主治
フランスのマクロン大統領はビジネス界向けの改革を推し進め、企業経営者からは高く評価されてきた。しかし、それ以外からは不満が相次ぎ、右派と左派の垣根を超えた大規模なデモ、イエローベスト運動を招いた。マクロン政権の窮地とイエローベストの台頭は、特定の勢力に偏りすぎた政治の危うさを物語る。 「右派でも左派でもない」と強調し、政治への信頼を回復すると叫んで2017年に就任したマクロン大統領は、3週間続けてパリで発生した数十万人規模のデモとその暴徒化によって窮地に立たされている。この背景にはビジネス志向の急速な経済改革への不満があり、これは結果的に右派と左派の連携を生んでいる。 「革命とデモの国」の動揺 「芸術と美食の国」であるフランスは「革命とデモの国」でもある。どちらも既成概念に囚われず、自らのセンスと意志で新たな境地を切り拓こうとする点で共通するが、11月半ばから毎週末発生してきた大規模デモは
京大高等研究院の本庶佑特別教授がノーベル医学生理学賞を受賞した。おめでたいことだ。 その前に、NHKはノーベル賞にちなんで特別サイトを開設(「ノーベル賞 まるわかり授業」)。 バーチャルユーチューバーのキズナアイが、「ノーベル賞 まるわかり授業」を行うということで、話題を呼んでいた(バーチャルYouTuberによるノーベル賞解説 NHKサイトが話題)。 ところがこのサイトは、その後、違う意味でネットで話題を呼んでいる。 太田啓子弁護士が、性的に強調された描写、女性の体をアイキャッチに使うことについて疑義を呈し、「NHKノーベル賞受賞サイトでこのイラストを使う感覚を疑う」とツイートしたからだ。 これに反対するひとたちは、別にキズナアイは性的じゃない、女性からも支持を得ていると反論、太田弁護士に賛同する人は「乳袋(という表現があるのを初めて知った)」やへそが出ている時点で、やはり性的ではないか
僕も含めたディランファンはその存在を語り、邦訳の刊行を待ちわびていた。それが本書だ。日本語版で値段は7800円+税、総ページ数は800P以上でケース付き。なぜ、そこまでの分量が必要なのかと疑問を持つ人は少なくないだろう。 最初に答えを示しておけば、ノーベル文学賞を受賞して、77歳にしてフジロックの大トリを務めるディランという「詩人」の切り開いた新しい道を書き尽くすのに必要な分量だから、となる。 ロバート・シェルトンによる大評伝はディランの歴史上、もっともインパクトを放った1960年代~70年代を中心に彼のすべてを解き明かそうとする。シェルトンは最初期からディランに注目し、彼のプライベートや肉親も取材しながら「ボブ・ディラン」とは何者なのかに迫っていった。 本人へのインタビューも難しくなってしまった現代において、本人のみならず肉親まで取材したという事実だけでこの本の価値はあるのだが、これはフ
来週発売のNatureに、ちょっと恐ろしい論文が掲載される。普通に食品に添加されているトレハロースが、難治性の腸炎の原因クロストリジウム・ディフィシル(CD)の流行の原因になっているという研究だ。実験の詳しい内容は私自身のブログを参照してもらうことにして、重要なメッセージだけを紹介しておく。米国テキサスのベーラー大学からの論文で、CDが勃発した臨床現場では極めて重要な情報だと思う(Collins et al, Dietary trehalose enhances virulence of epidemic clostridium difficile(流行性のクロストリディウム・ディフィシル強毒株の毒性は食事の中のトレハロースにより増強される)Nature,2018 in press:doi:10.1038/nature25178) トレハロースグルコースが2個結合したトレハロースは、温度や
【ファクトチェック】朝日新聞は新小中学校の新学習指導要領に関し「中学武道、銃剣道も選択可」などと報じた記事について、4月7日付朝刊の「Re: お答えします」コーナーで、学習指導要領の改訂に関する補足説明を行い、社会部次長名で「今後ともわかりやすい記事を心がけます」と表明した。明確な訂正はしなかったが、「誤解を与える報道内容になっている」との日本報道検証機構の指摘に応答する形で、「追加」ではなく「明記」との表現に事実上修正した。 朝日新聞の記事は一時、Yahoo!ニュースのトピックスにも取り上げられていた問題となったのは、朝日新聞が3月31日付朝刊の「聖徳太子復活、数千の意見/中学武道、銃剣道も選択可」と見出しをつけた記事。本文では「『学校や地域の実態に応じて種目が選択できるよう』として、中学の武道に新たに『銃剣道』を加え、武道9種目を示した」と報じていた。 デジタル版にも「中学武道に銃剣道
先日、ワタミでの長時間労働によって26歳の娘を過労自死に追い込まれた両親が会社を訴えていた事案で、和解が成立した。ワタミおよび創業者の渡邉美樹氏は全面的に責任を認め、再発防止策などを含んだ和解条項に合意した。 そんな中、ある社会保険労務士が行ったブログへの書き込みが注目を集めている。 「モンスター社員を解雇せよ! すご腕社労士の首切りブログ」と題されたブログでは、「社員をうつ病に罹患させる方法」として、「適切にして強烈な合法パワハラ与え」るために、「失敗や他人へ迷惑をかけたと思っていること、不快に感じたこと、悲しかったことなどを思い出せるだけ・・・自分に非があるように関連付けて考えて書いていくことを繰り返」えさせることで、うつ病に追い込むよう指南している。さらに、「万が一本人が自殺したとしても、うつの原因と死亡の結果の相当因果関係を否定する証拠を作っておくこと」とまでアドバイスしている(ブ
日本では2015年の最低賃金が全国平均18円引き上げとなりましたが、アメリカでは昨年から今年にかけて、多くの自治体で最低賃金(時給)を15ドル(1,850円)に引き上げる条例が可決されています。既に施行されている自治体もあり、その動向が注目されています。 サンフランシスコでは、昨年の市民投票で、2018年7月までに段階的に15ドルに引き上げることが決定(現在は12.25ドル)。 シアトルでは、従業員数500人以上の企業は2017年初までに、500人以下の企業は2021年初までに最低賃金を段階的に15ドルに引き上げる条例が昨年可決(現在は11ドル(500人以下は10ドル)。 ロサンゼルスでは、現在の9ドルから2020年までに15ドルへと引き上げることが決定。その後は消費者物価指数に合わせて毎年引き上げられることになっています。 ニューヨーク州では、全米で30以上の店舗を構えるファストフード店
「笑ってごまかそうと思った」18日の都議会で、妊娠・出産・不妊に悩む女性への支援を訴えた女性都議、塩村文夏(あやか)さん(35)に対し、「自分が早く結婚すればいい」「産めないのか」というヤジが飛んだ。こんな差別をいつまでも許していてはいけない。 塩村さんは朝日新聞の取材に次のように語っている。 「私も結婚や妊娠に悩む世代の当事者。あんな風に言われると、悲しい」 ――塩村さんもヤジを受けて一瞬笑った 「苦笑です。えっ、なんだよと。笑ってごまかそうと思ったが、別のヤジも飛んできてボディーブローのように効いてきて、ごまかしきれなくなった」 ――その場で反論しなかったのはなぜか 「本当に不意打ちだった。返せなかった。不規則発言だと議長にアピールして議事録に残す方法は知らなかった」 都議会という地方自治の片翼をなす公式の場で公然と行われた性差別に対して、被害者である当の女性都議がこの程度の憤りしか表
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