2019年3月8日開催の閣議で、「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案」(第9次地方分権一括法案)が決定されました。 同法案は地方自治体に権限・財源を移譲するための、各種の法律の改正案を1本に束ねたものです。同様の法案は2011年から毎年、国会に提出されており、今回は第9次の法案となります。 今回の法案の中には、図書館、博物館、公民館等の公立社会教育施設について、自治体の判断によって教育委員会から首長部局へ移管可能とすることが盛り込まれています。内閣府が公開した資料では、この改正によって観光・地域振興やまちづくり分野を担う首長部局が公立社会教育施設を所管できるようになり、「社会教育のさらなる振興はもとより、文化・観光振興や地域コミュニティの持続的発展等に資する」と説明されています。 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための
2019年3月8日、日本医学会は、会長と日本医学雑誌編集者組織委員会委員長の連名で、同学会分科会理事長・会長あてに「悪徳雑誌への注意喚起について」を発表しました。 同学会ではいわゆるハゲタカ出版(predatory journal)を「悪徳雑誌」と呼称しています。発表された文書では悪徳雑誌の特徴・悪影響について説明した後、投稿誌選定のチェック項目等をまとめています。 悪徳雑誌への注意喚起について(日本医学会、2019/3/8付け) http://jams.med.or.jp/jamje/attention_vicejournal.pdf 参考: 京都大学図書館機構、ハゲタカ出版に注意を促すリーフレットを日英2バージョンで公開 Posted 2019年2月4日 http://current.ndl.go.jp/node/37519
人文学書の出版社で人文学情報のニュースサイトも手掛ける文学通信が、自社出版物の索引や販促物を公開する「文学通信リポジトリ」を公開しました。 同リポジトリは国立情報学研究所(NII)が開発したリポジトリツールWEKOを用いて構築されています。同社の発表によれば、「将来的にはさまざまな事情でアーカイブされていない研究者の論文等を公開していける場所にもしていきたい」とのことです。 「文学通信リポジトリ」を公開しました(文学通信、2019/3/11付け) http://bungaku-report.com/blog/2019/03/post-444.html 文学通信リポジトリ http://repository.bungaku-report.com/htdocs/index.php 参考: NII、図書館総合展でのプレゼンテーション資料を公開-NetCommons2上で動作するリポジトリモジュー
よく、映画やドラマ、マンガの中の架空の新聞社として「毎朝新聞」というのが出てくる。 おそらく、毎日新聞と朝日新聞を合体させて創り出された想像上の新聞のことで「現実に存在しない」ということが重要である。実在しない新聞社だからこそ、さまざまな作品で使われている。 しかし、毎朝新聞は徳島に実在していた。 日本でいちばん有名な架空の新聞 毎朝新聞は、具体的にどんなところに出てくるのだろうか。 ドラえもんなんかにもちょくちょく出とるだろ。とおもって家にあるてんとう虫コミックス版ドラえもん全45巻をざっとみてみたところ、明確に出ていたのは1つしかなかった。 「週刊特ダネ」と「毎朝新聞」は架空っぽいけど、「日の丸不動産」は実在しそう。(藤子・F・不二雄『ドラえもん 23巻』小学館・131ページ「異説クラブメンバーズバッジ」より) のび太たちが作った地底人の国をスネ夫がマスコミにバラそうとするシーンで取材
スペインのCSIC (Spanish National Research Council) Library Networkは、英国化学会(Royal Society of Chemistry)とRead & Publish契約に合意したと発表した。このパイロット契約の期間は2年。 これにより、CSICの研究者は英国化学会のOA(オープンアクセス)ジャーナルへの投稿、アクセスが可能になる。 [ニュースソース] Spanish consortium launches groundbreaking Read & Publish agreement ― Royal Society of Chemistry (accessed 2019-03-07)
Wiley社は、3月4日、ハンガリーの国立コンソーシアムEISZ(Hungarian Electronic Information Service National Programme)とのRead & Publish契約に合意したと発表した。 3年の移行契約により、EISZの13所属機関の研究者らはWiley社のジャーナルへのアクセスおよび、オープンアクセス(OA)出版ができるようになる。また、アカウントやリクエスト認証などを管理するためのOAアカウントダッシュボートへのアクセスも提供されるという。 [ニュースソース] Wiley and the Hungarian Electronic Information Service National Programme Partner to Advance Scholarly Research and Publishing ― Wiley 2
Springer Nature社は、3月1日、ResearchGateと、キャンパス内外における学術コンテンツの閲覧とダウンロードを容易にするためのパイロットを開始すると発表した。 2017年11月以降のNature誌の一部に掲載された全文記事を、ResearchGateの研究者プロファイルに公開し、3月7日からキャンパス内外で全文の閲覧およびダウンロードが可能になる。 ResearchGateは、2018年4月に、Springer Nature社を含む出版社らと論文の合法的な共有をサポートするための協定に合意しており、今回のパイロットはその一環としている。 [ニュースソース] ResearchGate and Springer Nature embark on pilot to deliver seamless discovery and an enhanced reading expe
Nature誌は、2月26日、"High-profile subscription journals critique Plan S"(試訳:注目度の高い購読型ジャーナルがPlan Sを批評)と題する記事を掲載した。 Plan Sへの移行期間が短すぎること。社内の編集者が論文内容のチェックだけでなくニュースやオピニオン記事を作成し、ジャーナルのレベルの高さを保っている。そんな編集者のコストをAPCだけでは賄えないこと。"read & publish"のような契約モデルを2024年以降も許容すべきなど、本記事は、Springer Nature社や米国科学振興協会(AAAS)といった有名ジャーナルを発行する大手出版社が示したPlan Sへの懸念や不満を紹介している。 出版社らの主張に反論する、欧州委員会のOA(オープンアクセス)担当でありPlan S の立案者Robert-Jan Smit氏の
Science誌は、2月21日、"Deal reveals what scientists in Germany are paying for open access"(試訳: DEALプロジェクトが、ドイツの研究者が支払うOA費を白日のもとにさらす)と題する記事を公開した。 本記事は、DEALプロジェクトとWiley社が2019年1月に合意したPublish & Read契約を基に、ドイツの研究者が1論文当たりに支払うAPC(論文掲載料)が2,750ユーロであると紹介。 オランダの類似契約(1論文当たり1,600ユーロ)に比べ割高とする元図書館員のコメントや、DEALプロジェクトの当初目標が2018年の支払い水準を維持することであり、オランダより機関数が多いためやむをえないとする、DEALプロジェクト側の交渉人を務めた物理学者のコメントを紹介している。 その他に、ダブルディッピングを回避
SpringerLinkは、2018年11月10日、"Google Scholar to overshadow them all? Comparing the sizes of 12 academic search engines and bibliographic databases"(試訳:Google Scholarが競合他社を隅に追いやるのか? 12の学術情報検索エンジンおよび書誌データベースのサイズを比較する)と題するOA(オープンアクセス)論文を公開した。 本論文は、学術情報検索エンジンおよび書誌データベース(academic search engines and bibliographic databases、ASEBDs)の収録数を推計する新手法を提案、検証したもの。最適化した反復クエリに対するデータヒット数を指標として、12のASEBDsの収録数を推計している。 知見とし
Scholarly Kitchenは、2月19日、"Is Hybrid a Valid Pathway to Open Access? Publishers Argue Yes, in Response to Plan S"(試訳:Plan Sへの反応、ハイブリットはOAへの有効な手段か?出版社らはYes)と題する記事を掲載した。 本記事は、出版4社(SAGE社、Springer Nature社、Taylor & Francis社、Wiley社)のPlan Sガイダンスへのフィードバックを紹介。それら一部を引用しながら、どの出版社もハイブリットモデルを放棄する意図がないこと、Plan Sに準拠した完全なポートフォリオを持っていないこと、2020年あるいは特定の日までに準拠するという明確な意思表示をしていないことなどを紹介している。 [ニュースソース] Is Hybrid a Valid P
DEALプロジェクトは、Wiley社と合意したPublish & Read契約の契約書を公開した。 1月15日に両者が合意した契約書は、Max Planck 研究所のリポジトリで公開されている。 Publish and Access Agreement Projekt DEAL and Wiley(pdf: 全26ページ) ※以上、MPG.PuRe (accessed 2019-02-19) [ニュースソース] Wiley Contract ― Projekt DEAL 2019/02/18 (accessed 2019-02-19) [小欄関連記事] 2019年01月18日 Wiley社とDEALプロジェクトがパートナーシップを締結し、新たな出版モデルを試行
*本稿は2019年3月10日に東京堂書店にて開催されたイベント「哲学者と編集者で考える、〈売れる哲学書〉のつくり方」において配布された資料を、著者の了解を得て明らかな誤字等を修正して転載したものです。 「俺の一生をかけて、全精力全財産を費やして、自分の意思どおりに歴史を捻じ曲げようと努力する。又、そうできるだけの地位や権力を得ようとし、それを手に入れたとする。それでも歴史は思うままの枝ぶりになってくれるとは限らないんだ。百年、二百年、あるいは三百年後に、急に歴史は、俺とは全く関係なく(﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅ ﹅)、正に俺の夢、理想、意思どおりの姿をとるかもしれない。正に百年前、二百年前、俺が夢みたとおりの形をとるかもしれない。俺の目が美しいと思うかぎりの美しさで、微笑んで、冷然と俺を見下ろし、俺の意思を嘲るかのように。それが歴史というものだ、と人は言うだろう」 「潮時だというだけの
午後から参加しました。 分科会「アクティブラーニングと学修成果の見える化:主体的・対話的で深いよりよい学びのために」についてのメモを記載します。 入院やその後のリハビリもあって、久しぶりに大学教育の実践についてインプットすることができました。発表内容も興味深く、大変楽しいものでした。 *以下、例によって、私の理解した、書けた範囲でのメモ。 ■日本福祉大学における初年次対象の教育の質を高めるための取組(日本福祉大学 全学教育センター 村川) ○単に活動を実施したということでなく、成長と気づきを促したい。 ○「攻略法」 ・ほぼ全ての学生が経験のあるゲームでの用語 ・活動に対する留意点、という意味 ・学生自らルーブリックを作成する。 S/A/B/C の基準も自ら作成。 ・「振り返りシート」毎週2枚 ■三重大学教養教育院「スタートアップセミナー」における学修成果の可視化(三重大学 下村) ○「スタ
京大図書館で開かれたオープンデータの講演会の際、他の参加者が主宰されている勉強会を教えていただき、参加しました。 内容はもちろんですが、個人的には次のような目的も。 ・オープンサイエンス的な場所を見る ・平日の夜に京都に行くという(食事のタイミングや、帰宅時間の点で)リハビリ ・ついでに、行きたかった近くの銭湯に行く ディスカッションの時に、記憶の底に埋もれていた色んなことを、かき混ぜて、思い出させてくれるような会でした。 *以下、例によって、私の理解した、書けた範囲での(ごく一部の)メモ。 世話人の方による記録は、こちらのURLから。 https://kyoto-open.science/?p=733#more-733 ■学校健診情報の活用に向けた自治体・市民との相互理解の形成(京都大学・井出) ○学校検診 ・昭和33~ 実施。全国で統一項目。項目は多くない。 ・調査票は卒後5年で廃棄(
(つづき) *例によって、私の理解した、書けた範囲でのメモ。 ■■アカデミックデータマネジメント環境での図書館員の役割(梶田、京都大情報環境機構) *大学ICT推進協議会の年次大会はデータマネジメントの話題も出る? 2019年は12月12日(木)~12月14日(土)に福岡で開催 https://axies.jp/ja/conf ■自己紹介、研究者のコンテキスト ・どのような研究者も、論文発表へのプロセスでデータ管理を必ずしている。 ■1.研究者ファーストとしたあるべき姿(私見) ○コンテキストの変化 ・研究公正(京大ではデータは10年保存) ・オープンアクセス など ■2.研究データのための図書館 ○「研究データのための図書館」からの23のアドバイス ■3.京都大学における研究データマネジメントに係る活動 ○The Purdue University Research Repository
*例によって、私の理解した、書けた範囲でのメモ。 ■私的まとめ ・オープンサイエンスの取り組みは、国内ではまだ試行錯誤の段階か。 ・具体の活動内容はともかく、トピックになることは、かつての機関リポジトリや学修支援の時と似ていることもある? 例えば、学内他部署との連携、人材育成とか。 ・キーワードは、竹内講演の最後、最初に飛び込む「ファースト・ペンギン」求む。 ■■オープンサイエンス時代の大学図書館員:教育、研究のパートナーになるために(竹内、千葉大学) ○「サポート」→「パートナー」。上下の関係ではなく。 ■大学図書館の新しい機能をめぐる議論の整理 ○"上から言われて"ではなく、政策と実践がからんで進んできた。 ○オープンサイエンスとは ・単なるオープンアクセス+オープンデータ ではない。 ・これまで以上にオープンで多様な可能性を持って行うことができるようになった研究活動の諸側面の総称(N
私の経営する中西印刷は明治の非常に早い時期に京都の地に活版印刷を導入し、その後活版印刷の会社として百年以上の歴史がある。この件については、本誌の印刷史関係の記事でも何度か紹介していただいている。 実はさらに活版以前に、木版の時代があったというのが口伝としてあった。しかし、その証拠となる木版時代の本というのはこれまで発見されていなかった。木版・活版・平版・デジタルという4つの印刷形式を駆け抜けた会社という当社のキャッチフレーズには実のところ証拠がなかったのだ。 そのことを気にして、亡くなった伯父は京都中の古本屋から明治初期の書籍をかたっぱしから取りよせて、中西製木版本を探したが、結局、亡くなるまでに中西製木版本を発見することはなかった。 ところが木版による出版物が発見できたのである。それも国立国会図書館デジタルコレクションでなのだ。 国立国会図書館デジタルコレクションは書籍の全ページの画像を
レポートの著作権の管理&組織の成果(知財以外)の管理を所管している課にいるため、著作物(著作権)を資産計上するかどうか、計上する場合は管理すべきだがどのように管理するのか、という話が降ってわいた。結局諸々あって所管外ということになったのだけれど、とてもざわざわした。ので、考えていたことをとっておく。 著作物は組織の資産だが、財務会計の処理上資産に計上する必要はないと考える 「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」では無形固定資産として示されていない 将来の経済的効益の獲得は不確実、かつ資産として客観的な評価が難しい 著作物(著作権)は権利であり、変動や減価償却するものではない(物品としての資産管理の考え方になじまない) 法人設置の根拠法を考えると、研究開発の成果は資産として占有するのではなく、広く科学技術・社会の利益のために提供すべきである そもそも公的資金による成果はオープンに
問合せがあったので、ざざっと探しました。今後の自分のためにメモ。 Elsevier Permissions https://www.elsevier.com/about/our-business/policies/copyright/permissions ScienceDirect(一般的な電子ジャーナル)掲載分とそれ以外で方法が異なる ScienceDirect掲載分は使用したい論文のabstractページからRightsLinkを介して申請する ScienceDirect以外はElsevierの申請フォームを使用する Taylor & Francis Rights & permissions http://taylorandfrancis.com/contact/rights-and-permissions/ 図書と雑誌で方法が異なる 雑誌は使用したい論文のabstractページから
直接のきっかけは下記CAの記事なのですが、ジャパンサーチの話のときにも書いたとおり最近自分の中でちょっとしたロゴブームなので、図書館関係のロゴとその解説が載っているページを探してみました。サクッと探しただけでも意外とありました。 current.ndl.go.jp 日本の図書館のお気にいり まずは日本の図書館で、ロゴがステキで、図書館やデザイナーさんのサイトでその成り立ちが解説されていたものをご紹介。 瀬戸内市民図書館もみわ広場 lib.city.setouchi.lg.jp 武蔵野プレイス www.musashino.or.jp 明石市立図書館 astt.jp 海外の図書館のお気にいり "Brand New"という色々な企業やサービスなどのロゴのリニューアル前後を見ることができるページがあるのですが、海外の図書館のロゴについては、そこで紹介されているものが素敵でしたのでいくつかピックアッ
一昨年、「電子図書館委員会」の委員長と同時にJEPAの理事の任に就いたとき、「32人もいる理事の中で女性は私一人だけなんだなあ」と考え込んでしまった。過去を振り返っても、三省堂の高野郁子さんに次ぐ歴代たった2人目なのだ。 そのときに考えたこと、思うところをキーパーソン・メッセージに書きたいと意思表明してきた結果、遂に機会を頂けることとなった。異色の内容とは思いますが、なにとぞお付き合いください。 思うところとは、一言でいうなら「女少な!!どうして?」であった。この「どうして?」は「なぜ?(疑問)」ではなく「どうゆうこと?(困惑)」である。「なぜ?(疑問)」について言うなら、この1/32、即ち3%という割合は、企業における女性管理職の割合(7.2%)に近い。JEPAの理事の方々の多くが高位の役職に就いておられることより、この割合となる理由、背景も共通していると考えるが、その分析はあまたの歴史
近年、インターネットの普及や書籍等の電子化に伴い、図書館の社会的役割が大きく揺らいでいるように思われる。今や図書館の一般的イメージは、「無料貸本屋」、あるいは最悪「コーヒーショップの添え物」といった感じではないだろうか。私は子供のころから図書館のヘビーユーザーであり、今の自分の6、7割方は図書館で借りた本やCDから学んだ知識が形作ったと思っているので、寂しいことである。 図書館もさることながら、図書館を司る司書もまた、一般の利用者からは縁遠い存在だ。本の整理係として以外、司書の具体的な職掌を知らない人が大多数ではないだろうか。最近では自治体等の財政難もあって、司書の地位も不安定化しているようだ。 こうした傾向は世界的なもののようだが、最近アメリカでは、図書館、あるいは図書館司書に従来とは違った役割を見いだす動きが出てきている。その一つが、Library Freedom Projectだ。2
紹介 「もはやわれわれの記憶は存在しない。 文字や法律の揺りかご、文明発祥の地は焼失した。 残っているのは灰だけだ」 (2003年、バグダード大学教員のことば) 「55世紀もの昔から書物は破壊されつづけているが、その原因のほとんどは知られていない。 本や図書館に関する専門書は数あれど、それらの破壊の歴史を綴った書物は存在しない。何とも不可解な欠如ではないか?」 シュメールの昔から、アレクサンドリア図書館の栄枯盛衰、ナチスによる“ビブリオコースト”、イラク戦争下の略奪行為、電子テロまで。 どの時代にも例外なく書物は破壊され、人類は貴重な遺産、継承されるべき叡智を失ってきた。 ことは戦争や迫害、検閲だけでなく、数多の天災・人災、書写材の劣化、害虫による被害、人間の無関心さにおよぶ。 幼少期に地元図書館を洪水によって失った著者が、やがて膨大量の文献や実地調査により、世界各地の書物の破壊の歴史をた
このところ、「本をどう残すか」ということをよく考える。個人の蔵書をどうするかといったレベルの話ではなく、物理的な書物だけの話でもない。本とはようするに「残された記録」のことだとすれば、考えるべきはさまざまな著作や文物を後世に伝えるための仕組み全体だ(往復書簡で藤谷治さんが書いていたとおり、本のなかには著者自身は後世に残すつもりなどなかったものも含まれる)。たまたま先月は、そうしたことを考えさせられる出来事が続いた。 「ジャパンサーチ」ベータ版の公開 まずは明るいニュースから行こう。国立国会図書館は2月末にベータ版(試験版)として「ジャパンサーチ(JAPAN SEARCH)」を公開した。これは国立国会図書館自身が所蔵する書籍や資料だけでなく、日本国内のさまざまな文化資源にかかわる36(公開時点)のデータベースをウェブ上で横断検索できるようにしたいわゆるナショナル・デジタル・アーカイブで、所蔵
第12信(藤谷治から仲俣暁生へ) 仲俣暁生様 橋本治氏は、享年70とのことですが、夭折の感すらあります。山のような仕事をしながら、なお山のように仕事を残して亡くなりました。評価を定めるには時間がかかるでしょう。 僕は仲俣さんほどには、橋本治という作家に思い入れはありません(仲俣さんの氏に対する思い入れが尋常のものでない、ということもありましょう)。僕が読んだ橋本作品は、全体の十分の一にもならないでしょう。子どもの頃に読んだ『桃尻娘』は記憶の底に沈んでしまったし、『窯変源氏』も『双調平家』も未読です。アメリカに住んでいたころ、日本語が恋しくなってニュージャージーの紀伊国屋書店で買った『鞦韃(ぶらんこ)』という短編集のグロテスクに驚き、以後アメリカ滞在中はもっぱら藤沢周平を読むようになった、なんていう思い出があるくらいです。「フィクショネス」の店内で貧困にあえいでいた時は、『貧乏は正しい!』に
第11信(仲俣暁生から藤谷治へ) 藤谷治様 昨年暮れにお返事をいただいたまま、ながらく返信できず失礼しました。往復書簡をそろそろ再開したいと思います。ここまで五往復、十回ほどメールのやり取りをしてきましたが、もうしばらくお付き合いください。心づもりとしては、平成の終わりまでは続けたいなと考えています。 * * * 先月の終わりに小説家の橋本治さんが亡くなりました。光栄にも追悼文を書くよう求められて四苦八苦したり、その勢いで橋本さんの旧作をいろいろと読み返したりしているうち、あっという間に時が過ぎてしまいました。 先日も、そのうち読もうと思いつつ積んだままだった橋本さんの『九十八歳になった私』という小説を読んでいました。とても面白く、かつ、この機会に読むと痛切な話です。 物語の舞台は西暦2046年。東京が大震災によって壊滅したため、北関東の仮設住宅でいまは避難民として暮らす「元小説家の橋本治
いい本の収納方法はないかなと ヒントを求めてかりた「絶景本棚」 絶景本棚 作者: 本の雑誌編集部,中村規 出版社/メーカー: 本の雑誌社 発売日: 2018/02/22 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (8件) を見る 本の雑誌社のものだけあって ここに載ってる人たちは本を捨てるって発想はないなと 読む本、間違えたわ、と思いましたw とはいえ、パラフィンかけてもらって大事にされてる本と 死蔵されてる本(本棚に入ってるだけでもまし)と いろいろですね。 途中から、これ残されたほうは大変よ!という心境になったり、 写真をながめながらもやもやしてきました。 というのも、ずいぶん前の話ですが、 本棚を天井まで重ねてたロフトのアパートに住んでた時 やっぱり本が片付いてなくて、 ストレスというかイライラが炸裂して (片付いてないせいだとはその時は自覚はなかった) 仕事をずる休
Data Science JournalのRDA results特集に、下記の研究論文が掲載されていた。 Data Discovery Paradigms: User Requirements and Recommendations for Data Repositories 本稿ではRDA Data Discovery Paradigms IGの活動成果として、データ発見、検索面からのデータリポジトリへの推奨要件をまとめている、とのこと。まとめ方は「定性的な分析をもとに、経験則による評価と専門家によるレビューを受けた」とある。微妙にデータっぽくない(?)気がしなくもないが、まあそれはさておき、79のユースケースを収集して10の要件を抽出したとのことで、ざっくりとまとめてみる。誤解や見当違いはご容赦を。 ===== 1.Introduction FAIRデータ原則の紹介に始まり、データの発
2月があっという間に過ぎて行った。。。いろいろ書いておくべきことがあるけれども、まずは前回積み残しのものから。 シンポジウム「オープンデータと大学」 | 九州大学大学院統合新領域学府ライブラリーサイエンス専攻 1月末に九大図書館で開催されたシンポジウムに登壇させていただきました。他の方々の講演内容はスライドが公開(※)されていたり、ライブラリーサイエンス専攻の年報に掲載されたりするらしいのでそちらに譲るとして(というか皆さんの資料以上のことは特に書けない)、ディスカッションで印象に残ったことのメモ(+後で考えたこと)を。 ※なお、公開スライドはわざわざ自分だけCC-BYにしてもらいました(アピール) ~~~~~ ・オープンデータの進め方 → オープンデータを進めるに当たっては学内での協力を当然求めていくことになるが、変にインセンティブを出すと反発が起きかねないかも、という懸念(という趣旨と
目次 図書館情報学専門課程がある大学 背景と前提 注意事項とお願い 図書館情報学専門課程がある大学(五十音順) 参考文献 司書養成科目開講大学 図書館情報学専門課程がある大学 背景と前提 図書館情報学が学べる・研究できる大学というと、歴史のある筑波大学*1と慶應義塾大学*2の印象が強いのですが、そのほかにどれくらいの大学にあるのか気になって調べてみました。 そうすると、『図書館情報学教育の戦後史―資料が語る専門職養成制度の展開』をはじめ、いくつかの文献で、出版時点における専門課程のある大学が示されていました。また、以前は『図書館年鑑』において、「図書館学開講大学」の一覧が掲載されており、そのなかに「専門教育」という項目があったものの、2014年版を最後に、一覧自体が掲載されなくなったことがわかりました。 組織再編や新設・廃止もあるので、随時更新されるリストがあると便利だと思い、Webサイト
二月半ばからとある業務にかまけていたためしばらくブログが更新できなかった。その業務はまだ終わっていないし、終わりの目途もたっていない。けれども、別の無関係な業務が入ったおかげで一時中断とした。ブランクが開いたので適当に書いてみる。 現在、出張で岐阜市に来ている。愛知県小牧市にある僕の実家からは名鉄電車で一時間なのだが、予算を消化しなければならないので岐阜市内で泊まりの予定である。本務は明日である。本日は岐阜市立中央図書館「みんなの森 ぎふメディアコスモス」を見てきた。 デザインがとても洗練されている。落ち着いたオレンジ色の照明、渦巻き状に配置された書架、弧を描くテーブルなど。子どもだったら迷路を作ってみたくなるよね。書架の背が低いので大人ならばフロア全体を見渡せる。書棚はけっこう空いていて、空白スペースを面出し本で埋めていた。僕がよく使うさいたま市立中央図書館と比べると、机を占拠して何やら
本田由紀編『文系大学教育は仕事の役に立つのか:職業的レリバンスの検討』ナカニシヤ出版, 2018. 社会学。文系学部卒業者に対してアンケートし、大学時代に受けた教育と職業との関係を分析する内容である。手堅い実証研究であり、内容がインタビューである7章を除いて各章で統計分析満載の学術書である。アンケートはインターネットでの回答を元にしている。 タイトルの疑問の答えは3章に記されている。およそ7割の回答者が大学教育は仕事に活用されていないと答えている。やっぱり役に立たないわけだ。その他は、回答からわかる教育スタイルや、大学時代の授業への意欲、資格、出身地、就いた職業を検討することで、大学教育が役に立つケースを浮き彫りにしようとしている。 大学教育が職業に活かされる文系領域は?答えは「教育学部」です、ってまあそうだよね。また大学時代のディスカッションやプレゼンの経験は役に立っている感を高めるらし
あなたのデジタルアーカイブはどこから? 「私は、人材育成から」 ・・・人材育成って、何かね。 デジタルアーカイブだけでなく、何事によらず大事な処方だと言われる。 二言目には人材育成って言われる。 MLA業界はコンテンツやメタデータの専門であって人材育成の専門は別にあるはずですが、やはり教育を論じるというのも参入障壁が低いエンタメのひとつなんでしょうか、何かと言えば、人材育成、人材育成と言っている。 人材育成って、何かね。 ということから、大学図書館×デジタルアーカイブ×神座育成、についていろいろ考えたのの、メモ②。 とはいえ、正直このテーマはあれだと思ってるので、この②は→③への“ていのいい”橋渡し、くらいに考えていただければ目安となるでしょう。 もちろん、特にデジタルアーカイブのような長期的運用、安定した持続が必要なしろものにおいて、それを担うに必要充分な技能をもった人材が確保されねばな
デジタルアーカイブのメタデータのあり方を、大学図書館の現場で、ジャパンサーチに寄り添って考える(2018年12月現在)メモの第3弾。特に、メタデータを赤血球として血液さらさらに流したかったら、その成分自体をにらみつけてうんうん考えてばかりではなく、その流し方とかつながり方を考えたほうがいいよな、っていういくつかのメモです。要点は3つ、自由かつオープンに流れるようにすること(CC0/PD)、海外にも広く流れるようにすること、みずからが流れのハブになること(つなぎ役と”サブつなぎ役”)、です。 (その1)赤血球に2つの成分が効く http://egamiday3.seesaa.net/article/464235925.html (その2)まだ見ぬ連携先に狙いを決めて http://egamiday3.seesaa.net/article/464274503.html ●利用条件 註:コンテン
ひとつ前の記事はこちら↓。 「あなたのデジタルアーカイブはどこから? ①「私はメタデータから」(その1)赤血球に2つの成分が効く」 http://egamiday3.seesaa.net/article/464235925.html メタデータは、ジャパンサーチを介してかけまわる赤血球のようなものであると。 そのメタデータの主要な要素は5つ(タイトル、人物、時間、場所、管理番号(識別子))、最低限で2つ(管理番号とタイトル)あれば、ジャパンサーチに入れてもらえると。 いうことまでわかりました。 よっしゃ、じゃあやったろう、っつって突っ走れるかって言うと、そんなことができるようなら苦労はしない、それができないからわざわざこんなブログ読みに来てるんであって、とおっしゃる方を手ぶらで帰すわけにはいかないので、もうちょっと具体のところをうにょうにょと考えてみた、メモの続きです。 念のため再度のエク
あなたのデジタルアーカイブはどこから? IIIFから? CC-BY/PDから? 「いいえ、私はメタデータから」 そんなあなたに、効くかもしれないし、そうでないかもしれない。 当座のブログ。 さておき。 デジタルアーカイブとはなかなか縁が切れなくてしょうがないんですけど、とあるところでとある経緯から、「デジタルアーカイブにおけるメタデータのあり方を考えてとりまとめて書く」みたいな重荷を背負わなきゃいけなくなって、だいぶ勉強し直さないとあれだったうえにちょうど風邪ひいて(私はノドから)倒れそうだった中、うんうん唸りながら唸らされながらやってたのの、メモみたいなもんです。 といっても、「デジタルアーカイブにおけるメタデータ」なんて壮大なテーマ扱えるのお釈迦様ぐらいじゃないかと思うんですが、一応、↓こんくらいの文脈というか箱庭の中で書いたものとして、お目こぼしいただければ。 ・”可視化のため”のメ
(08/16)事務連絡 : egamiday3 終了のお知らせ (07/10)2023年5月・6月のまとめ (07/10)「海外の日本研究と日本図書館」に関する2023年5月・6月の動向レビュー -- 北米のDHと日本研究、日本国憲法改訂ウェブアーカイブ、先住権 他 ( #本棚の中のニッポン ) (07/10)「北米におけるデジタル・ヒューマニティーズと日本研究の現状」(カレントアウェアネス)を読んだメモ (05/12)2023年3月・4月のまとめ (05/12)「海外の日本研究と日本図書館」に関する2023年3月・4月の動向レビュー -- CEAL/NCC他@ボストン、図書館送信、Film Cycle Project 他 ( #本棚の中のニッポン ) (05/07)正誤問題からのメッセージ -- 国立大学図書系採用試験問題を読んだメモ・2022年著作権&学術コミュニケーション編 (04/
さて、このブログ記事は次の3つをプロモーションするために書いています。 主に、学校資料、アーカイブの利活用、アクティブラーニングあたりのトピックス。ほかに司書課程、京都近代史などです。 その1。 小冊子『みんなで活かせる!学校資料 : 学校資料活用ハンドブック』というのが出ています。京都市学校歴史博物館の発行で、連絡先として学校資料研究会事務局(https://gakkoshiryo.jimdofree.com/)と書いてます。 あたくしはただいま司書資格科目の「図書館情報資源概論」、あるいは司書教諭資格科目の「情報メディアの活用」で教えさせていただいてますが、かねてより学校資料・校史資料の類についてなんとかして司書・司書教諭候補生のみなさんに問題意識持って知ってほしい、というふうに考えてはいたものの、自分がそれに詳しいわけでもないし、簡便に説明できるためのテキストもなかなか見あたらない。
ちょっと考えるところがあって、昨年末(2018年12月)にNHKで放送されていたドキュメンタリー番組を、もう一度見返したんですね、それをめぐって考えたことのメモです。 『事件の涙』「そして、研究棟の一室で~九州大学 ある研究者の死~」 2018年12月28日(金) 午後10時45分~11時10分 https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/92894/2894212/index.html この事件については、報道もされ、下記のようにのちにネットでも語られ、ということがありました。 その概略を、NHKのwebサイトから引用します。なお、この件は上記のドキュメンタリー番組だけでなく、再構成する感じでwebニュース記事にもなっていて、そちらのほうがよりわかりやすいので、そちらを紹介するものです。 「去年9月7日の早朝。福岡市の九州大学で火災が発生した。現場は、大
静岡県立中央図書館が、閲覧室の床のひび割れへの安全対策工事終了にともない、2019年3月14日から全てのサービスを再開すると発表しました。 再開後は各種展示や本の福袋が実施されるほか、3月14日及び3月17日には静岡茶のサービスが予定されています。 3月14日から全てのサービスを再開します(静岡県立中央図書館) https://www.tosyokan.pref.shizuoka.jp/contents/info/2019/201903_servicesaikai.html 参考: 静岡県立中央図書館、閲覧室床にひび割れが発見され、安全対策実施のため臨時休館:休館期間は3か月から4か月程度を予定 Posted 2017年7月3日 http://current.ndl.go.jp/node/34289 静岡県立中央図書館、閲覧室床ひび割れ詳細調査の結果報告を公表 Posted 2018年2月
2019年3月11日、茨城大学図書館が、同館所蔵の貴重資料「菅文庫」の修繕をめざすクラウドファンディングを開始しました。 菅文庫は、幕末の水戸藩の史学者・菅政友(かんまさすけ)の収集した蔵書の大部分を収めたもので、地元水戸に関する資料や、菅政友が専門とする史学関係に加え、国学・文学・儒学・地誌・法制・経済から理学・医学等まで幅広い内容の蔵書を含む漢籍・国書約1万点のコレクションです。 今回のプロジェクトは、損傷のひどい資料の中でも重要度の高い、菅政友自身が書写した写本を中心に修繕することを目指すものです。目標金額100万円を達成した場合、茨苑祭(茨城大学水戸キャンパス学園祭)での修復資料の展示や、ギャラリートークなども予定されています。 募集期間は3月11日から4月19日までです。 貴重資料「菅文庫」の修繕をめざすクラウドファンディングを公開しました(3館共通)(茨城大学図書館,2019/
米国のLibrary Journal(LJ)誌(オンライン)が、2019年版の「図書館界を動かした人、揺るがせた人」(Movers & Shakers)として54名の図書館員を発表しています。 米国の図書館界に新しい風を吹き込んだ図書館員たちを選出するもので、アドヴォカシー分野(ADVOCATES)、組織を変えた人(CHANGE AGENTS)、コミュニティを作った人(COMMUNITY BUILDERS)、デジタル開発者(DIGITAL DEVELOPERS)、教育分野(EDUCATORS)、革新者(INNOVATORS)、の6つの分野から選ばれています。 革新者(INNOVATORS)には、ワシントン大学図書館の日本研究司書である田中あずさ氏も選出されており、受賞者プロフィールのページでは、田中氏が携わった「日本学多巻資料の総目次・索引電子化プロジェクト」の紹介がなされています。 20
2019年3月6日、近畿大学中央図書館は、近畿大学貴重資料デジタルアーカイブにおいて同大学が所蔵する貴重書のなかから27タイトルを新たに公開したことを発表しました。 主な公開資料として、コペルニクス『天体の回転について』(1543年)やホッブズ『リヴァイアサン』(1651年)、鳥居清満筆『分福茶釜』(江戸時代後期刊)など14タイトルが紹介されています。 【近畿大学貴重資料デジタルアーカイブ】27タイトルを新たに公開しました(近畿大学中央図書館, 2019/3/6) https://www.clib.kindai.ac.jp/news/2019/0306-27_2.html 近畿大学貴重資料デジタルアーカイブ https://kda.clib.kindai.ac.jp/rarematerials/ 参考: 近畿大学、IIIFに対応した「近畿大学貴重資料デジタルアーカイブ」の公開を予定 Pos
2019年3月6日、札幌市中央図書館が、1階図書室内に、新しく「認知症コーナー」「LLブックコーナー」「LGBTコーナー」を設置したと発表しています。 中央図書館1階図書室内に新しいコーナーができました(札幌市の図書館,2019/3/6) https://www.city.sapporo.jp/toshokan/gyoji/chuo/20190306nintisyonado.html 参考: E2019 – 認知症にやさしい図書館ガイドライン カレントアウェアネス-E No.346 2018.05.17 http://current.ndl.go.jp/e2019 E1849 – 川越市立高階図書館における「りんごの棚」への取り組み カレントアウェアネス-E No.313 2016.10.20 http://current.ndl.go.jp/e1849 CA1725 – セクシュアル・マ
2019年3月8日、総務省が、「ICT地域活性化大賞2019」の受賞案件を発表しました。 同賞は、ICT(情報通信技術)を活用して、地域が抱える様々な課題を解決し、地域の活性化を図るため、自律的な創意・工夫に基づき地方公共団体や地域団体、民間企業等がICTを利活用している事例を広く募集の上、「ICT地域活性化大賞」として表彰するものです。 「ICT地域活性化大賞2019」の受賞案件は、115件の応募の中から、3月8日に開催した「地域ICTサミット2019」内で決勝審査を実施して決定されたもので、優秀賞4案件の内の1つに、大阪市立中央図書館の「オープンデータ化した地域資料の利活用を通じて大阪の魅力を発信」が選ばれました。 「ICT地域活性化大賞2019」受賞案件の発表(総務省,2019/3/8) http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu
2019年2月21日、米・スタンフォード大学図書館は、医療・健康に関するデバイスやアプリ、医薬品等から収集されるデジタルな情報の倫理的利用に関する声明“Statement of Guiding Principles for Ethics in Digital Health”を発表しました。 声明では、医療・健康に関するデジタルなデバイス等や情報の活用に関する10の指針を挙げています。この指針は、医療・健康に関するサービスやデバイスを扱う企業(digital health companies)が、自社の製品や収集した情報を倫理的に利用するために定められています。 今回の声明は、同学で実施されたセミナーで、健康・医療に関するデジタル情報を取り扱う組織が健康に関する個人情報を管理する際の懸念について、産業界、研究者、非営利団体が議論した内容に由来するものです。 Guiding Principle
2019年3月1日、ハンガリーのコンソーシアムEISZ(Electronic Information Service National Programme)が、Wiley社とのオープンアクセス(OA)出版及び購読契約に関する契約の締結を発表しました。 契約は3年間で、13のEISZ加盟機関の研究者は、Wiley社の電子ジャーナルの閲覧と、Wiley社の電子ジャーナルでのOA出版が可能となる内容です。 Wiley社では該当する研究者を自動的に識別し、無料でOA出版する条件を通知するプラットフォームなどの新しい技術への投資を続けるとしています。またEISZの加盟機関では、アカウントを簡単に管理し、速やかに承認し、詳細なレポートを作成するオープンアクセスアカウントダッシュボードを利用できます。 Wiley and the Hungarian Electronic Information Serv
福岡県の筑後市立図書館が、2019年3月20日、しあわせUP講座「図書館でストレッチ」を開催します。 同館が所蔵する健康寿命を伸ばすために役立つ本やDVDを活用し、同市役所高齢者支援課の理学療法士からの解説の後、参加者でストレッチをする企画です。 参加費無料で、事前の申込みも不要です。 しあわせUP講座「図書館でストレッチ」開催 (筑後市立図書館) http://library.city.chikugo.lg.jp/events.html#strech201903 参考: 新潟市立黒埼図書館、「シニアライフコーナー」を設置 Posted 2019年3月6日 http://current.ndl.go.jp/node/37724 E1917 – 超高齢社会と図書館:国立国会図書館の図書館調査研究 カレントアウェアネス-E No.325 2017.05.25 http://current.nd
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