既存クリエイターを世界に紹介するのもよいが、クリエイター予備軍の層を厚くするためには、若い世代がきちんと暮らせて好きなことができる環境づくりをすることが大切である。クール・ジャパン戦略が、泉の枯れることを憂えず泉の水を売り損ねることを恐れることになっていなければよいのだが。放っておいても利に聡い民間の人間が勝手にやることに税金を使うよりも、政府にはもっと重要なことがあるはずだ。さもなければ、好きなことができるのは年金暮らしの老人だけになり、20年後には高齢者文化だけが栄える「枯れた日本」と呼ばれるようになっていることだろう。