司法試験に合格した司法修習生に対し、1年間の研修中の給与を国が支払う「給費制」から、必要な人に貸す「貸与制」に11月から移行するが、日本弁護士連合会が「裕福な人しか法律家になれない」と異議を唱え始めた。4月に就任した宇都宮健児会長は「運動を盛り上げ、世論を動かしたい」と意気込むが、ハードルは高い。 「新たな制度では私は弁護士になれなかった。どんな法律家が必要かは、市民の権利を守る上で大きな問題だ」 日弁連が18日に東京・霞が関で開いた集会で、宇都宮会長が呼びかけた。司法試験を2日前に受けたばかりの女性(33)や修習生らが、数百万円の借金を抱えている現状を訴えた。 だが、給費制の維持には裁判所法の改正が必要。弁護士以外で問題への関心は高くなく、集会でも「法律で決まったことをひっくり返すのは不可能に近い」との声も出た。 会長選で主流派候補を破って就任した宇都宮会長にとっては目玉政策で、