印刷 1年間で女性9人を襲ったとして、強姦(ごうかん)致傷や強制わいせつ致傷、強盗などの罪に問われた住所不定、無職井上大作被告(28)の裁判員裁判の論告求刑公判が6日、高松地裁(幅田勝行裁判長)であった。検察側の論告求刑が終わる直前、幅田裁判長が遮って起訴内容の変更を求め、検察側は論告をやり直したうえで懲役30年を求刑した。 幅田裁判長は、被告が女性を乱暴後に下着を奪った強盗罪について「脅迫行為を公訴事実に明示していない。強盗罪の成立はかなり困難かと思う。釈明の機会を与える」と述べ、いったん休廷した。検察側は、被告が下着を探す女性に「そのままで帰れ」と強い口調で言ったことが強盗の脅迫行為にあたる、との趣旨で起訴状に追加。被告の罪状認否をやり直した後、改めて論告求刑した。 地検関係者は「論告の途中の訴因変更は初めて。ちょっと格好が悪い話」と話している。(林亜季)