先月17日付の英フィナンシャル・タイムズ紙は、「新たな均衡に向かう世界 終わりに近づく西側の覇権」と題する記事を掲載した。これは台頭する新興国と多額の債務を背負う先進国の構造を指摘したもの。そのような中、中国の国営紙チャイナデイリーは中国の著名な経済学者で中国人民銀行(中央銀行)の元通貨政策委員である余永定氏の寄稿を掲載した。同氏は現在の中国経済について、「中国の成長モデルは持続不可能であり、緊急の経済・政治改革を断行しない限り、中国は突然の減速に見舞われる」と警鐘を鳴らしている。 従来あまり見ることができなかった論調で、年頭にふさわしい内容だと私は感じた。余永定氏という中国の元高官が、現在の中国経済のモデルを否定している。これは論理的に考えれば当たり前だが、未だに中国の中では広く支持されている意見ではない。一部の識者の人が将来を憂い、警鐘を鳴らしているというのが実態だろう。 対する中国共