輝かしい時代の終わり レイチェル・グレイがソフトウェアエンジニアとしてグーグル本社で働きはじめたのは、2007年のことだ。 この頃は、同社の新入社員にとって良い時代だった。2週間の入社オリエンテーションで、グレイは同社のユートピアのような福利厚生を知った。社内のカフェテリアではステーキとエビが提供され、キッチンにはフレッシュジュースが常備され、ジムでは無料のワークアウト講座が開かれていた。 従業員には給与に加えて株式が給付され、確定拠出年金は掛け金の50%が上乗せされた。さらに、クリスマスボーナスとして1000ドルが封筒に入れて届けられた。 オリエンテーション中、グレイにとってもうひとつ印象的だったのは、グーグルが自社のデータセンターにあるマシンの台数を明らかにしていたことだ。普段は秘密にされている情報を共有され、「社内の透明性の高さを実感しました」とグレイは言う。 その後、彼女はソフトウ
