そういえば先日、ある見舞客から「人生観が変わったでしょう?」と問いかけられた。要するに死の一歩手前を経験したのだから、それなりにものの見方だとか価値観が変化したのだろうと言うのだ。 なるほど、命に関わる体験をして、信心に目覚めたり、それなりに信奉していた価値観がコペルニクス的転換を遂げたという人は多そうだ。俺にも、何かそういった変化が起きたなら劇的で面白いと思う。それで自分の胸に手を当ててしばらく考えてみたのだが、残念ながらまだそういった変化はなさそうだ。少なくとも俺の場合、病気前と病気後で性格や考え方にほぼ変わりはない、とこの場で断言したいと思う。 そうした心境の変化について言うなら、あくまで俺の場合、仕事がスランプに陥った時期のほうが「変化」は大きかった気がする。俺はまだ未経験だが、子供を持っても変化は大きいだろうと思う。そいつが成長するまで面倒をみなければならないという「責任」が発生