――「ヒットの方法論めいたものが固まるほど、モノは売れなくなっていく」「その突破のカギは、ダメ、ムダを含めた多様性にある」というお話を、「マクロス・フロンティア」でヒットを飛ばした河森正治監督にうかがっています。 では、「多様性」というやや曖昧な言葉をもうすこし具体的に、とお聞きしたところ、河森監督は「20年前に自然農の考え方に触れ、実際にそれを見たことで、近代以降の思考への疑問が生まれた」と話し始めました。作品に出てくるアイテムや扱うテーマよりもっと広い、思考の枠組みからの見直しを、監督の言う「多様性」は指しているようです。