3、現実対虚構からモデル対シミュレーションへ 繰り返せば、ピアノは、近代の機械論的な世界像の格好のモデルである。ピアノがさまざまな楽器のシミュレーションを実行する機械(メタ楽器)であるように、コンピュータはメディアそのもののシミュレーションを実行する機械(メタメディア)である(第4回参照)。同じく、ソーシャルメディアは社会そのもののシミュレーションを実行する機械であり、AIは知能そのもののシミュレーションを実行する機械であり、メタバースは現実そのもののシミュレーションを実行する機械である。これらの機械は、自分以外のものになりすます力をもつ。メディア史の展開とは、まさにこのシミュレーションの力の拡大と等しい。 ショシャナ・ズボフ『監視資本主義』(東洋経済新報社) さらに、今日のデジタル資本主義は、シミュレーションや予測という認知能力を商品に変える水準にまで達した。ショシャナ・ズボフは近年、こ
