「もう少しなんとかならなかったのか」 宮城県のとある住宅団地で男性はそうつぶやいた。 見つめる先には、玄関前に置かれた自転車や脚立。そして駐車場には車検が切れた車。部屋の扉には南京錠がかけられ、入居者が不在のまま5年が過ぎていた。 こうした部屋が近所にもう1軒ある。 いったい何が起きているのか… (仙台放送局記者 武田健吾・宮崎竜之輔・飯田耕太) “開かずの部屋”に家財放置のなぜ ここは石巻市中心部の被災者が暮らす「災害公営住宅」。 東日本大震災のあと、津波で家を失った人などのために建てられ、宮城、岩手、福島の3県で3万戸近くが整備されました。 去年11月、この団地でコミュニティーづくりの支援にあたる田上琢磨さんに、ある部屋を案内してもらいました。
