音声放送チャンネル「荒木博行」の「WIRED Vol.34『ナラティヴと実装』松島編集長その1(2019年10月5日放送)」。Voicy - 音声プラットフォーム
ついに消費税率が10パーセントに引き上げられてしまった。万民の痛憤紅涙、措く能わざるところである。 由来、進んで税金を払いたいものなどいない。だからこそ国や自治体は、戦前から「納税思想の涵養」、つまり納税意識の啓発に励んできた。 もっとも、天地を逆さにできないように、嫌な税金を簡単に好きにさせられるはずもなく、その試みは常に苦難と苦笑の連続であった。 孫娘が「爺ちゃん、納めて!」と泣き叫ぶ 戦前日本の納税美談は、その典型だった。どんな苦境にあっても、「納税義務の重大なるを痛感して、『――何はさておいても税金だけは!』と、叫びながら納税する人」を取り上げた物語がそれである。 当局は、勇ましい軍国美談を使って国民の士気を高めたように、感動的な納税美談を使って国民の納税意識を高めようとしたのだ。 もっともありがちなストーリーは、父や祖父の滞納税金を、子や孫が貧窮に耐えながらなんとか工面して代納す
■「元・最底辺校」で起きるドタバタ ――一気に読みました。英国社会の荒廃を無料託児所などの光景から浮き彫りにしたルポや、政府の緊縮財政の愚を指弾する時評とは、ずいぶん雰囲気が違う気がします。 そうかもしれません。英国で周囲にいる人々や出会った人々を観察して書くのでなく、いままさに私自身の現場である子育ての日々を、初めて書いたノンフィクションなんです。 ロンドンの南、ブライトンという海辺の町で息子が通う公立中は、貧しい白人の子どもが多く、少し前まで学力的に最底辺校と呼ばれていたところです。それが音楽とか演劇とか、生徒がやりたいことをのびのびやらせるユニークな改革を重ね、生徒たちの素行も改善され、学力も上がってきた。 とはいえ、トラブルは日常茶飯事。移民問題や貧困問題が背景にあります。そこで起きる出来事をちりばめながら、思春期の息子と私たち夫婦のホームドラマの要素も入っているので、マイルドな印
「ソーシャルメディア空間では、各種の感情の中で『怒り』がもっとも拡散されやすい」という科学者がいる。数理モデルやビッグデータ分析を駆使する計算社会科学の手法で「SNSを通じたコミュニケーション」の仕組みと関わろうとする、名古屋大学の笹原和俊氏だ。 人間は客観的に情報と向き合っているのではなく、自分の信じたいものだけを受け入れる傾向があるとも指摘する笹原氏。「これからは『すべての人が(そこそこの)インフルエンサー』という時代」とも語る氏が科学的事実から読み解く、SNSを通じた人々のインタラクションとは、コミュニケーションの未来とは。 名古屋大学大学院情報学研究科で講師を務める笹原和俊氏は、複雑系の考え方からコミュニケーションシステムの解明に取り組んでいる。 複雑系とはすなわち「相互作用の科学」。ミクロな要素同士が相互に作用して、個別の要素では現れなかった新しいマクロ事象を生む「創発現象のシス
聞き手:JIMA理事/令和メディア研究所 主宰 下村健一さん 「若い世代にニュースを届けたい」という思いから、スマホ対応のスクエア動画を使ったニュース発信など、革新的な取り組みを進めているTBSテレビ。『Nスタ』などのニュース番組でキャスターを務めた報道局 総合編集センター長・編集部長 の竹内明さんは「このままでは、若い世代にニュースが届かない」という危機意識を強く持っていると言います。 インターネットメディアに対して、テレビや新聞は「オールドメディア」と呼ばれたりします。しかし、報道現場の記者たちは膨大な時間をかけて取材し、情報と原稿を精査し、一本の映像コンテンツを制作してきました。そんな歴史や取材倫理があるからこそ、「玉石混淆の情報に満ち溢れたネットメディアの健全化に貢献したい」という竹内さん。「ネットメディアの“リスク”に対し、テレビだからこそできる健全化の道があるはず」という竹内さ
<社会に大きな波紋を投げかけている「あいちトリエンナーレ2019」、この事件の「現場」はどこなのか。そして、そこはいまどうなっているのか......> 9月の上旬、名古屋市と豊田市にある国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」(以下、トリエンナーレと略)の会場のいくつかを一日かけて見てまわった。 すでに多くの報道がなされているとおり、今年8月1日に開幕したトリエンナーレは、来場者に危害を与えることを示唆する脅迫や、攻撃的な抗議が殺到する事態により、出展作の一つである〈表現の不自由展・その後〉が開始3日目で展示中止となり社会に大きな波紋を投げかけた。 同展の中止決定に至る経緯が「検閲」にあたるとして、国内外の参加アーティストの多くがこの決定に抗議する声明文に署名した。過酷な検閲を経験してきた地域のアーティストを中心に、作品の引き上げや展示内容の変更といった動きも起きた。私が名古屋を訪れた前
我々はSNSやソーシャルゲームに備わる巧妙で強い依存性のある仕掛けに心を絡め取られている――というのは、評者が先月レビューしたアダム・オルター『僕らはそれに抵抗できない』(ダイヤモンド社)の主張である。記事への反応を見るに、こうしたテクノロジーの利用法にモヤモヤしている方は大勢いるんだなあ……と思わずにはいられなかった。 さて本書『デジタル・ミニマリスト』は、上述のアダム・オルターの研究等を踏まえ、フェイスブックやツイッターといったデジタルテクノロジーから距離を置くメソッドを紹介し、孤独に思惟思索をしたり趣味に耽溺したりする時間をつくって人間らしく生きようと提起する一冊である。デジタル・ミニマリズムとは以下のように定義される。 自分が重きを置いていることがらにプラスになるか否かを基準に厳選した一握りのツールの最適化を図り、オンラインで費やす時間をそれだけに集中して、ほかのものは惜しまず手放
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いまや我々の生活に欠かせないパソコンやスマホ。でもいったいみんな何を検索しているのだろう。ビッグデータを解析することで、これまで知ることのできなかった日本人の新事実が明らかになった。 初任給の使い道は? 「新入社員は5月に会社を辞めたくなり、6月に社内恋愛に憧れる」 若かりし頃を思い出して、「私もそうでした!」とか「確かに周りにそんなヤツがいたな」という読者諸兄も多いだろう。 それもそのはず、これは統計的に証明されたひとつの事実なのだ。説明するのは、「Yahoo!ビッグデータレポートチーム」の編集長・池宮伸次氏だ。 「スマホの普及で、いまや日本人の多くは、困ったことやわからないことがあると、まずネットで検索して解決方法を探す傾向にあります。 その検索データの蓄積を分析すれば、どういう属性にいる人たちが、年間のどの時期に、どのような出来事に直面したり、不安や悩みを抱いたりするのか推定できるの
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