産業界が注目する後継者問題に、今度は「社内人材の起用」という回答を繰り出した日本電産の永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)。日産自動車から一本釣りした関潤氏を更迭し、新たに小部博志副会長を社長兼最高執行責任者(COO)に就任させた。 永守会長と小部社長は創業以前から「親分と子分」(同会長)の名コンビだが、78歳の会長と73歳の新社長では、長引く同社の後継者問題の完全解決には至らない。関氏の更迭の裏に何があったのか。社長交代の緊急会見の質疑応答では、永守会長の口から率直かつ辛辣な言葉が飛んだ。 関氏との間で辞任に際してどのようなやりとりがあったのか。永守会長から降格を言い渡したのか。 永守会長:私から首を切るようなことは一切ない。ただし、(日本電産の)経営を学んでもらわないといけないし、まねてもらわなければならない。その点については非常に厳しい指導をする。入社した時の経営力では全く役に立た