GEPRを支援する研究者の論考を提供する。(GEPR版) MITの自然放射線研究の紹介 最近、放射線の生体影響に関する2つの重要なリポートが発表された。一つは、MIT(マサチューセッツ工科大学)の専門家チームが発表した研究成果(「放射能に対する生物学的解析の統合研究~ネズミへの自然放射線比400倍の連続照射でDNAの損傷は検出されず」(英語要旨)「MITニュースの解説記事」)である。 同じ放射線量を被ばくする場合でも、短期(1回)に被ばくする場合と、長期に被ばくする場合では、その生体への影響に大きな違いがある(長期被ばくの場合がはるかに影響が小さい)。この論文は「線量率効果」の存在を、がん化メカニズムの基本であるDNA損傷の面から検証したものである。 MITの研究ではネズミを自然放射線の400倍程度の放射線量に5週間さらしたが、DNAの損傷は観察されなかった。過度の放射線は、DNAを損傷さ
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