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ブックマーク / tkido.blog43.fc2.com (28)

  • 長沢和也 編著『フィールドの寄生虫学―水族寄生虫学の最前線』 神は細部に宿り給う

    寄生虫ほど人の心を捉える生物もそうはないだろう。ただしマイナスの方向にだが。口絵からして気色悪さ全開だが、『ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ』でも感じた現代博物学の面白さもあるので、こういう生物系が耐えられる人なら一読して見てもよいのでは。 しかし、これ見て思い出したが『パラサイト・レックス』は一度きっちりおすすめしておく必要がありそうだ。寄生中のみならず寄生という概念そのものに生じた――今も生じつつある――ダイナミックな変化を描いた最高に面白い一冊だから。 参考リンク 科学に佇む心と体 Pt.1: フィールドの寄生虫学と死者の数 とある昆虫研究者のメモ : フィールドの寄生虫学 関連書籍 おまけ 【ニコニコ動画】あんなに一緒だったのにby寄生虫

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    mobanama 2009/03/12
    "『パラサイト・レックス』は一度きっちりおすすめしておく必要がありそうだ。寄生中のみならず寄生という概念そのものに生じた――今も生じつつある――ダイナミックな変化を描いた最高に面白い一冊"
  • ニック・レーン『生と死の自然史―進化を統べる酸素』 神は細部に宿り給う

    0.予習用エントリ 絶対に必要というわけではないが以下のエントリの内容を踏まえておいた方がもっと面白いと思う。 ピーター D.ウォード『恐竜はなぜ鳥に進化したのか―絶滅も進化も酸素濃度が決めた』 ガブリエル・ウォーカー『スノーボール・アース 生命大進化をもたらした全地球凍結』 トム・カークウッド『生命の持ち時間は決まっているのか―「使い捨ての体」老化理論が開く希望の地平』 1.ホロコーストはなかった! 地球には初め酸素はなく、地球の生命はほぼ全て嫌気性生物であった。初めて光合成の老廃物として酸素を放出する生物が出現したとき、他の生物は猛毒の酸素によってなぎ倒され地球最初の大量絶滅が起こった。酸素の少ない極限環境に追いやられひっそりと暮らさざるをえなくなった。 その後、奇跡のように素晴らしい進化の妙技によって、酸素を逆用して呼吸しエネルギーを得る好気性生物が進化した。これによって酸素そのもの

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    mobanama 2009/02/01
    「酸素」"ホロコーストはなかった!"/"循環器系は「酸素を許容できる濃度に薄めるためのものだ」"/"老化とは酸化ストレスが積み重なったことによって発現する自己免疫疾患"特にMt。鳥のMtはradicalが漏れにくいと。読むか
  • 脳は陰謀論を生む機械 神は細部に宿り給う

    分離脳についての実験からは「説明装置」とでも呼ぶべき機能が左脳側にあることが示唆される。たとえ(分離脳の状態になければ右脳から送られたであろう)正しい情報がなくても説明装置はとにかく結論を出す。 端から見ている実験者の立場ではそれはどう見ても作話であるのだが。どうも(少なくとも言葉で説明ができるような)自我は、脳で働いている様々なモジュールがそれぞれ高度に専門化された仕事をこなした後の最終結果しか知らされていないようである。 交通事故などで手足の神経を損傷した患者が「これは私に見つからないように隠れている他人の腕なんだ」とか「誰かが死体の腕をくっつけたのだ」とか、かなりトンデモない考えを抱くようになることがあるという。これは必ずしも現実を受け入れたくないがための通常の精神作用のひとつとばかりとは言えないようだ。 というのも全くの健康な被験者であっても、鏡などを巧みに使ったトリックによって自

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    mobanama 2009/01/25
    "人間や動物の一個体を扱うために作られた説明装置"で自然現象や、国際経済など多要素が関わり単純な目的や意図通りには動かないシステムに対してそのまま適用するのが誤りで、その時"説明装置は陰謀論生成装置"に。
  • 栗本慎一郎『パンツを脱いだサル―ヒトは、どうして生きていくのか』 神は細部に宿り給う

    序章 それは病から始まった 第一章 ヒトはいかにじてヒトになったのか――そしてなぜなったのか 第二章 現代に至るパンツ 第三章 同時多発テロと国際関係、あるいはグローバリズムというパンツ 第四章 ユダヤ人の起源の謎 第五章 政治陰謀としてのビートルズ 第六章 結論ヒトはどうすれば生きていけるか、あるいは生きていく価値があるのか 栗慎一郎というのはガイア教シリーズで水生類人猿説を見ていたときに頭に残っていた名前だったので、図書館で借りてきたのだが、なんかもう目次だけでお腹いっぱいって内容でした。やっぱり全てのトンデモはどこかで繋がっているというか、批判精神の薄さという文脈で繋がっているというか、元々脳の働きは陰謀論的であってそうじゃない方が来は異常なんだろうというか……。楽しい世界です。 おまけ 陰謀論→アポロは月に行っていない→月 【ニコニコ動画】【

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    mobanama 2008/12/21
    "やっぱり全てのトンデモはどこかで繋がっているというか、批判精神の薄さという文脈で繋がっているというか、元々脳の働きは陰謀論的であってそうじゃない方が本来は異常なんだろうというか……。楽しい世界です。"
  • アナクロニズムの極致『地球が静止する日』オススメ度1/10 神は細部に宿り給う

    わははは! 予告編を見てこれはダメ映画だと確信していたが、ある事情でダメなのを期待して観に行った。そして期待以上にダメダメで嬉しかった! つまんなくて嬉しかった映画は生まれて初めてかもしれない。人には全くすすめられないのでネタバレは気にせず行きますよ。 (ネタバレ注意!) リメイク元の『地球の静止する日』は古典的名作SFである。友好的異星人像を初めて真面目に描いたと言ってよい先駆的な作品だった。原作のハリイ・ベイツ『主人への告別』も、映画とはあまり関係がなくなってしまっているがオチだけは印象に残るいい作品だった。 ああ、それなのにリメイクはどうしょうもないただの黙示文学。SFキリスト物語になってしまった。いつの時代も天からやってきた神の使者は「悔い改めなければ人類は亡びる」と言うことになっている。悔い改めなければならないものは元では冷戦と核戦争だったが今では当然環境破壊。 そして、自分の気

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    mobanama 2008/12/20
    "予告編を見てこれはダメ映画だと確信していたが、ある事情でダメなのを期待して観に行った。そして期待以上にダメダメで嬉しかった!"そこまで言われるとむしろ観たくなっちゃうよw
  • ニール・シュービン『ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト―最新科学が明らかにする人体進化35億年の旅』 神は細部に宿り給う

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    mobanama 2008/12/17
    おすすめと。
  • アルフレッド・W・クロスビー『数量化革命 ヨーロッパ覇権をもたらした世界観の誕生』 神は細部に宿り給う

    『飛び道具の人類史』が面白かったので、アルフレッド・クロスビーつながりで借りてきた。 中世のヨーロッパは全てが宗教一色に塗り固められていて文明はむしろイスラム圏や中国より劣っており、近代の繁栄が始まったのはギリシア文明のルネッサンスから、というのは中学校でも習う話だが、それを“数量化”という観点からまとめた。訳者あとがきより。 世界を理解する枠組みが、従来のような定性的で目的論的なものから、定量的で自然主義的なものに変わった。アリストテレスの権威とキリスト教の教義に基づいて階層構造をなすとみなされていた世界は、均質で一様でニュートラルなもの、数量的に表現できるものに変貌した。こうした認識の変化はやがて、天動説天文学から地動説天文学への移行に見られるようなパラダイムの変化をもたらし、十六世紀後半と十七世紀の科学革命を経て近代科学が築かれる礎石となった。 このように中世の西ヨーロッパ人

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    mobanama 2008/12/10
    "『銃・病原菌・鉄』で歯切れが悪かった(と私は思う)「なぜ中国ではなくヨーロッパだったのか」の部分を補完するもの"
  • 東浩紀発言とポストモダン・プレモダンあと還元主義の罠 神は細部に宿り給う

    1.専門家団および公共性の軽侮 ある人が家に入ってくる。机の上の財布をポケットに入れ家を出て行く。この行為は正当か? この問いには、イエスと答えるのもノーと答えるのも馬鹿げている。その家がその人の家であるか、そうでないかによる。前者ならその人は財布を忘れた人であり、後者ならその人は空き巣だ。その前提を知らないままでは正当も不当もありえない。何の話かといえば、 東浩紀の渦状言論: 歴史認識問題についていくつか これの話。例によって出遅れているため、もはやあまり言うべきことは残ってない気がするが、残った部分にちょっと興味のある部分があるので、まずはそこ以外の部分の整理、地ならしに努めよう。 医者団が執刀中の手術室に物理学者がいきなり入ってきて「人体なんて原子の塊に過ぎないのにわかってないお前ら馬鹿」と言ったら叩き出されても仕方がないと大抵の人は思うだろう。医学と物理学を歴史学とポスト

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    mobanama 2008/12/06
    クリップだけでも100字じゃ足りないのであきらめる。一個だけ孫引用「どんな科学も健全な成長のためには統一派と多様化派との間の創造的な釣合いが必要だ(フリーマン・ダイソン『多様化世界―生命と技術と政治』)」
  • 科学を信仰してるだけです 神は細部に宿り給う

    科学を信仰してるだけじゃん みたいな言い回しが後を絶たないな。 この言い回しそのものがおかしいという事を小学生にも分かるように書きたいのだが、 全然うまい事思いつかねー。 こういうのをうまく説明できる頭の良い人がうらやましいな。 でもあきらめずにもうちょっと考えてみよう。 (科学を信仰してるだけじゃん) 思いつかなくても仕方ない、というか思いついたらすごいよ。それは近代以降の科学哲学の基だから。ひさびさに『表現の自由を脅すもの』より。 宗教活動家達はしばしば、自由科学体制(「世俗的ヒューマニズム」)はそれ自体信仰の一形態、一つの信念体系であり、だから特別の位置づけには値しないとこぼしている。彼らは半分正しい。自由科学を信じることも、一つの信仰であるが、しかしそれは特別の位置づけに値する。(中略)異端審問が無くなったのは、人々が信仰無しでやっていけるようになったから

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    mobanama 2008/12/05
    "思いつかなくても仕方ない、というか思いついたらすごいよ。それは近代以降の科学哲学の基本だから"
  • 星新一『囚人』 神は細部に宿り給う

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    mobanama 2008/11/28
    あったねー。「植物のDNAと融合し、太陽エネルギーだけで生きているすごいウミウシ - GIGAZINE」関連
  • 藤原辰史『ナチス・ドイツの有機農業―「自然との共生」が生んだ「民族の絶滅」』 神は細部に宿り給う

    今もシュタイナー教育などに名を残し、真面目に受け取っている人もいるルドルフ・シュタイナーと有機農法の話から始まって、自然を愛し全ての生命と共生しようという思想がなぜ大量殺人のような結果を生んだのかを巡る話に繋がっていく。 私はこれとかこれとかナチスネタには目がないのだが、このと『ナチスと動物』『健康帝国ナチス』の2冊はどれも素晴らしく、“いまここにいるナチス”三部作とでも勝手に命名しておすすめしたい。 現代のディープエコロジーのような考え方や、日のフードファディズムめいたトンデモ育にもしっかり残っているナチスの影響。ついでに戦前日はオカルト的自然観と民族主義の点でナチスドイツ当に瓜二つだったんだということもよくわかるぞ。 参考リンク 自然へのマゾヒズム - 地下生活者の手遊び おすすめ類書 おまけ 健康→禁煙→タバコ 【ニコニコ動画】ハードボイルド風にタバコを

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    mobanama 2008/11/10
    "今もシュタイナー教育などに名を残し、真面目に受け取っている人もいるルドルフ・シュタイナーと有機農法の話から始まって、自然を愛し全ての生命と共生しようという思想がなぜ大量殺人のような結果を生んだのか"
  • Boichi(ボウイチ)『HOTEL』 神は細部に宿り給う

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    mobanama 2008/11/10
    やっぱ少し気になる。
  • ガイア教の天使クジラ32 神は細部に宿り給う

    歴史上存在した生物の由来に関する理論は、創造論と進化論の2つにスパッと綺麗に分けられるわけではない。もちろんその2つは最も重要な区別には間違いないが、『種の起原』が出版されたと同時に、スイッチが切り替わるように前者が後者に置き換えられたかのような印象を抱いているなら誤りだ。 それはあくまで第28回で少し触れたような、我々が歴史を理解しやすくするために必要な簡便法に過ぎない。実際には、生物学が聖書を捨て去ってから現代の進化論にたどり着くまでには様々な紆余曲折があった。その中で今回の話は、進化論の歴史に常につきまとってきた、今日でも完全に消え去ってはいない根深い一つの誤りに関係がある。 なんだか大げさな話になってきたように聞こえるだろうが、そんなに身構えることはない。実はそのことに関する話はすでに大部分終わっているからだ。 その間違いとは、第2回からずっと注目してきた2番目の存在の大いな

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    mobanama 2008/10/27
    "その彼の思想の前提となっていたのは、率直に言って今日のどこの中高生にも劣る、どうしようもなく人間中心的な生命観・進化観だった"
  • DS版ドラクエ5クリア 神は細部に宿り給う

    DS版ドラクエ5クリア。十分面白かった。ちょっと気になったことをとりとめもなく。 まずピエール様の優秀さは健在。自然すぎてしばらく気がつかなかったが、一度の戦闘に参加できる人数が4人になっていた。SFC版では3人だった。やはり3人は少なすぎ、5人は多すぎるということなのだろうか。 そのせいもあって、「たたかいのドラム」*1のバランスブレイカーぶりがもっと過激に。クリア後アイテムとは言え鬼畜過ぎる。使う以外の選択肢がまったくない。破壊の鉄球との組み合わせにより、攻撃魔法の存在意義もほぼなくなってしまう。 やっぱり「ふくろ」があるとまったくゲーム性が変わってしまうな(これは5だけの話ではないが)。「やくそう」や「どくけしそう」の位置づけとか。これ話が膨らんできたから別にエントリ起こそうかと思う。 4でオムニバス型式とAI戦闘という突飛なシステムが採用されたせいで見えにくくなっているが、

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    mobanama 2008/09/20
    『ドラクエは4までと5以降でゲーム性がかなり変質している気がする。きっちり制御された箱庭を楽しむゲームから、制御しきれない多様なおもちゃ箱を引っかき回して楽しむゲームに』
  • ピーター D.ウォード『恐竜はなぜ鳥に進化したのか―絶滅も進化も酸素濃度が決めた』 神は細部に宿り給う

  • アルフレッド・W. クロスビー『飛び道具の人類史―火を投げるサルが宇宙を飛ぶまで』 神は細部に宿り給う

    人間は自分達ホモ・サピエンスの長所を精神に求めることに慣れており、動物と身体能力を比較するときは、負けることを好む。「俺たち人間はこんなに脆弱な肉体しか持たないのに地上を征服した。だから万物の霊長なんだぜい。イェイ!」と思うと気分がよいのだ。 そのためか、人間の身体能力のうち圧倒的に優越しているものがあることをほとんど忘れている。それは投擲力。ものを放り投げる力。投石は初期人類にとって重要な武器だった。人類はそれを可能にする肩の構造と手を離すタイミングを判断する脳を、かつてブラキエーション*1を行っていた祖先から受け継いだ。 投射の技術は火と結びついて最初期のテクノロジーとなり、やがては人類を月に到達させるまでになる……というお話。すでによくある話と言えなくもないが、類似のよりまとめ方というか一筋の通し方がうまいと思う。こういうが好きな人にも、今まで興味がなかった人にもおすすめ。

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    mobanama 2008/09/18
    『人間の身体能力のうち圧倒的に優越しているものがあることをほとんど忘れている。それは投擲力』
  • 三菱鉛筆 ジェットストリーム 3色ボールペン 神は細部に宿り給う

  • メモとタイマーと私 神は細部に宿り給う

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    mobanama 2008/09/08
    タイマーかぁ。
  • 安岡孝一 安岡素子『キーボード配列QWERTYの謎』 神は細部に宿り給う

    やっと図書館で借りられたので読んだ。この話の決定版と言ってよいのではないか。要点は、「QWERTYはタイプライターのキーが絡まないように、連続して使われる文字を離してわざと早く打てないように決められた。」というよく聞く話は、意外で強い印象を与えるというだけの理由で生き残っているデマであり、当はそんな単純な話ではなくもっと複雑な歴史的経緯があるということ。 しかし、キーボードのような実用一辺倒のものですらも、こんなに途轍もない複雑な歴史の影響下にあるということは一種畏敬の念すら起こさせる。以前著者の方から以前コメントをいただいていたことに気づいた。ありがとうございます。 おまけ まあ……これしかないよね。MADは多すぎて選べなかったので家。 【ニコニコ動画】キーボードクラッシャー空耳

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    mobanama 2008/08/14
    面白そう。読んでみたい。
  • 『鳩山法相の死生観』を真剣に読めば死刑問題がわかる その5 神は細部に宿り給う

    「ウェットとドライ」 だが、大臣が「日の生命観は自然と共生であり、日人はウエット」という持論を話し出したあたりから、分からなくなってきた。「死刑廃止論はドライでかさかさした人たちの考え。人の命を奪ったんですよ。何人奪っても死刑がない、そんなドライな世の中に私は生きたくない」 (特集ワイド:死刑執行13人 鳩山法相の死生観 - 毎日jp(毎日新聞)) さて、鳩山法相の言うウエットとドライは普通の用語では何のことだと思う? たぶん言っている人もよくわかっていないことだが、これは多神教と一神教のことだ。 大臣は、日人は木や石などすべてのものに神をみるアニミズム(汎神論者)と考えている。「すべての命を大事にする文明だ。すべてと共生するアニミズムこそ、洞爺湖サミット最大の課題である地球環境を救う唯一の道だ」 (特集ワイド:死刑執行13人 鳩山法相の死生観 - 毎日jp(毎日新聞))

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    mobanama 2008/07/28
    『非一神教の生命の尊さは一神教のそれとは性質が大きく異なる』にゃるほど。