荒:「一木さん、このまえは怒らせちゃってすいませんでした。」 一:「もういいです。ちくしょう。前回は、マルクス主義、近代化思想、宗教などの大きな歴史の流れをもった理想への志向性、〈社会〉についての全体的なイメージが「大きな物語」として機能しなくなった、といいました。今回からは、『中くらいの物語』の終わりという話をします。」 荒:「やっぱりダサいね。」 一:「この間必死に考えてもいいコピーが思いつかずに、オレ涙目です。」 荒:「きにすんなよ。センスの無さはしょうがないよ。」 一:「傷心です。この連載が終わったら、旅にでもでてきます。気をどうにかたもって、最初にまとめを提示しておきましょう。ここでいう「中くらいの物語」の終わりとは、次のようなものです。 技術発展を成し遂げた産業化社会で、社会のネオリベ化が進行し、1.家族の役割変化 2.非正規労働の拡大 3.メディアの細分化 などが起こって、社