過剰観光などによる富士山世界遺産登録抹消を懸念する山梨県の長崎幸太郎知事=2日、山梨県富士吉田市(平尾孝撮影) 山梨県は2日、オーバーツーリズム(過剰観光)など富士山が抱えるさまざまな課題についてのマスコミ向け説明会を富士山5合目(山梨県富士吉田市)や富士山科学研究所(同)などで開催した。この中で長崎幸太郎知事は「今の状態では、富士山の世界文化遺産登録が抹消される懸念がある」と、強い危機感を示し、改善に向けた取り組みが急務と訴えた。 長崎氏は、10年前の富士山の世界文化遺産登録決定時に国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)からは「人の多さや環境負荷の大きさ、人工的景観が目立つことの3点が課題で、その解消が求められたが、10年間ほとんど進んでいない」と振り返る。 そのうえで課題解消にはまず、来訪者数のコントロールが重要と説明。それには県が管理する河口湖から富士山5合目までの有料自動車道「スバル