★首相・安倍晋三の狼狽(ろうばい)が、誰にも伝わった。手なずけてきたと思っていたメディアが先日の総裁選討論会で政策ではなく、今までの政治姿勢について質問したのだ。答弁は国会の時と同様、はぐらかしたが、国会で通用した答弁のすり替えを、ベテラン記者たちは容赦しなかった。稚拙な言い逃れを始めた首相に、予算委員会でみられる自民党議員のヤジや、忖度(そんたく)でのし上がった高級官僚の手助けもなく、盟友の閣僚たちの助っ人も来てくれない。 ★本来、首相とはこんな孤独な仕事ではないのか。イメージで「やっている感」を出し、それを強調してくれる言いなりの記者も助けてくれない。1人で戦うとはこのことだ。この情景が想定できたのか、首相は討論会を極力避けてきた。出馬に意欲的だった党政調会長・岸田文雄や総務相・野田聖子が立候補していれば、討論会はもっと活発なやりとりになっただろう。首相も討論会を避けなかったかもしれな