■要旨 日本では、働き方改革関連法が2019年4月から順次施行されている。しかし、医師については、医師法で応召義務が定められていることなどを理由に、その適用が5年間猶予されている。 新型コロナウイルス感染症では、感染が疑われる患者を診療拒否することが、応召義務違反となるのかどうか、議論された。 そもそも、応召義務とはどういうものか。その考え方は、どのように整理され、新型コロナの診療に適用されているのか。概観していくこととしたい。 ■目次 1――はじめに 2――応召義務とは 1|応召義務は、医師が患者に対して直接民事上負担する責任ではない 2|応召義務の規定は、140年前にさかのぼる 3|診療拒否に伴う損害賠償責任の過失認定に応召義務の概念が援用されることもある 4|「正当な事由」の考え方がポイント 3――2019年の厚生労働省通知 1|応召義務解釈に関する研究報告書がまとめられた 2|応召
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