政府・与党が検察庁法改正案の今国会での成立を断念したのは、インターネットでの反対世論の盛り上がりが背景にある。ネットを用いた選挙・政治活動に詳しい自民党の山田太郎参院議員に聞いた。(沢田大典) --一連の動きの見方は 「新しい政治活動の幕開けというと極端だが、ネットが力を持ち始めた。ネットの世界ではノイジーマイノリティー(声高な少数派)とサイレントマジョリティー(物言わぬ多数派)という言い方をする。前者はいつも批判したり騒いだりする人で、数%以内だ。この人たちを世論だと思っても仕方がない。今回は普段は政治に声を上げない、政治的に中立なサイレントマジョリティーが動いた。芸能人も巻き込み、それが鮮明になった」 --なぜ広がったのか 「ネットの世論は『公平感』と『平等感』を求めるのが特徴だ。そこに抵触した。不満・疑問点は3つ。黒川弘務・東京高検検事長の定年を延長することで検察庁が政治的な手心を加