【ニューヨーク=山中季広】米ニューヨーク連邦地裁は1日、青春小説「ライ麦畑でつかまえて」の続編と銘打ってスウェーデンの作家が書いた新作の米国での出版を差し止める決定をした。原作者J・D・サリンジャー氏(90)が「著作権の侵害だ」と差し止めを申し立てていた。 問題とされたのは「60年後・ライ麦畑を通り抜け」と題する小説。スウェーデンの作家がJ・D・カリフォルニアという筆名で書いた。原作で16歳だった多感な主人公が、76歳の老境を迎えて孤独に暮らすというあらすじ。サリンジャー氏側は「主人公を原作のままの若さに保っておく権利が原作者にはある」と訴えた。米国では今夏、店頭に並ぶ予定だった。